2010年12月14日火曜日

「サービサイズ」という考え方

先週のエコプロダクツ出展中に、弊社の展示物に興味を示された方がいらっしゃいました。
お話をしていると「サービスを含め、資源循環を実現しているものを探していたが、このブースしかなかった」とのお言葉を頂きました。
千葉大学法経学部教授と書かれた名刺を頂戴し、後日、記載されたURLにアクセスすると興味深い内容がたくさん。
その方の名は倉阪秀史教授。
ご専門は環境経済論、環境政策論とあります。

特に興味深かったのが、「サービサイズの可能性とその実現に向けて」と題された論文です。

以下、抜粋。
より尐ない資源エネルギーの消費で豊かな人間生活を支えていくための方策として、「サービサイジング」という考え方が注目されつつある。
サービサイジングは、1999 年に、アメリカのテラス研究所(Tellus Institute)のアレン・ ホワイトらがアメリカの環境保護庁に提出した報告書(White 他(1999))で用いられている 用語である。
彼らは、「製品ベースのサービス提供が現れることによって製造業と伝統的なサービス部門の活動の区別をあいまいにすること」をサービサイジングと表現した。
(中略)
日本においても、経済産業省が、平成17(2005)年から「グリーン・サービサイジング」に関する実証事業を進めている。経済産業省では、「サービサイジング」とは、「これまで製品として販売していたものをサービス化して提供する」ことを意味する用語であるとしており、その中で、環境面でとくに優れたパフォーマンスを示すものを「グリーン・サービサイジング」と呼んでいる。


教授が興味を示して下さったのが、弊社の「グローイングアップ・リース」という外構製品のリースシステムです。
このシステムを企画したのは、マテリアルリサイクルのできる製品を開発し、それをセールスポイントにしているにも関わらず、それを活かす販売方法が存在していないと気付いたからです。
従来通り、製品を製造し、販売し、工事・設置し、所有権を顧客へ引き渡す。
これではいくらメーカーとして良いモノ・技術を開発しても、それを「資源」として循環させることはできません。
そして気付いたのが、所有権を販売サイドにおいたまま、利用権を売るリースという考え方でした。


これが環境経済論の大家、倉阪秀史教授の目に留まったのは幸いでした。
本日、コンタクトを取らせていただき、サービサイズの記事を紹介させていただくことも快く了解下さいました。
私にとっては、孤軍奮闘し、開発、運営をしてきたものですから、何か大きな支えを頂いたような心境です。
サービサイズという考え方に則し、グローイングアップ・リースをより現実的な高みに押し上げて行きたいと強く感じた一日でした。



■千葉大学法経学部 倉阪秀史教授のHP■