2011年1月24日月曜日

西新井駅西口再開発(円形デッキ) その後


東部伊勢崎線「西新井駅」に昨年オープンした「PASSAGGIO」。

工事が完了し、初めて足を運んでみました。
エントランスを入るとすぐにある円形デッキが我々の作品です。

訪れた日は、休日であったこともあり、たくさんの人で溢れていました。
エントランスなので、来場する皆さんが、この円形デッキの上を歩いてくれます。
木々に囲まれた空間に、ベンチが配され、歩き疲れた人が休憩できるように工夫されています。

公共事業の受注が多いsai-BRANDですが、このように、たまには民間の商業施設建設のお手伝いもしています。
受注経緯を思い出すと、ここは植栽桝廻りの設計に工夫が必要でした。
植物ゆえ、散水をするために、通常の木下地だと、すぐに腐朽してしまうため、どうしたら良いのだろうかと相談を受けたところから始まりました。




公共事業も民間事業も、我々にとっては同じ品質で、同じ時間を費やし対応させていただいています。
ああでもない、こうでもないと、引き渡した後は、壊す時にしか見えない下地を設計するために時間を費やすのです。
所詮、デッキやボードウォークは「屋外の床」なのですが、室内のそれとは異なり、なかなか手入れをしてもらえません。
それでも、室内の床以上の年月、そこにあり続けるのが我々の作品達です。


そこにあり続ける以上、安全に、人々が憩える空間を提供し続けたい思います。



2011年1月17日月曜日

東京都港区港南緑水公園ボードウォーク(4)

本工事も年が明け、工事進捗率40%程度まで進んできました。
直線が約130m続く「運河デッキ」が完了し、いよいよ曲線だらけの「波型デッキ」の工程に入っています。
写真は1/15(土)に撮影したものですが、現在までのところ、職人さん達も丁寧な仕事をしてくれており、品質的には何の問題もありません。
しかしこれから段差あり、局面加工ありの世界に突入して行きます。
職人さん達の腕の見せ所です。
設計監修の立場としても、東京で最も美しいデッキを目指して、気を引き締めたいと思います。

この写真は、ボードウォークと一体施工を進めているSP種防護柵。
製品名は「SWSP」。
スロープの折れ点にも絶妙な曲線で対応しています。


145mm幅+5mm目地デッキと取り合うので、支柱間ピッチを@1950mmとして設計、製作していますので、デッキの目地芯に防護柵芯が来ているのが判ると思います。

通常は、デッキメーカーと防護柵メーカーが、それぞれの規格で設計施工するため、デッキの目地芯と防護柵の支柱芯がずれ、デッキを変に切り欠かなくてはなりません。
設計時にこれらを総合的に検討し、製作メーカー、現場スタッフがひと手間加えれば、「美しい仕上がり」を提供することができます。
また、デッキは「芝目貼り」を行い、無表情な再生木材に“表情”を与えています。
当初、自社施工が叶わなかったため、この品質が提供できるかを心配しましたが、優秀な現場スタッフに恵まれ、このようにきっちりと仕上がってきています。

とはいえ、前述した通り、この現場はこれからが本番といいましょうか、難易度が一気に増して行きます。
これからが本番と考え、現場スタッフ、設計スタッフともに気を引き締め、安全に、確実に工程を進めて行きたいと思います。



2011年1月13日木曜日

横浜市鶴見区 市場保育園 樹木選定

わくわくの森保育園、市場保育園を経営する社会福祉法人ICA(Ichiba Childe Association)の山本園長さんと、市場保育園の園庭に植える樹木を選定しに行きました。

従前の打ち合わせでは、園長の意向は、株立ちの落葉樹ということだったので、エゴノキやシャラ、ヤマボウシ等を想定していました。
今日、横浜市内の植木屋さんに現物を選びに行ったのですが、中木5本、高木1本を選定中に、「子供達の木のイメージは、株立ちではないのではないか」との発想から、シンボルツリーは落葉系のヤマボウシの立木に決めました。

上の写真は、中木として選んだシマトネリコ。
この季節でも、このような爽やかな葉の色を見せてくれます。
春になると一層、鮮やかな緑を楽しむことができそうです。



そしてこれがシンボルツリーとして選んだ立木のヤマボウシ。
園舎の南側にどっしりと構え、夏は日よけになり、冬は落葉することで、光を通し、季節というものを必然的に感じることのできる樹種です。
高さは約5.5m。樹齢は30年ほどだそうです。
このヤマボウシは、成長がゆっくり。
これからは、彼が子供達の成長をゆっくりと見守ってくれることでしょう。

今日、感じたことですが、私達の設計、施工する外構施設は、完成し、引き渡しをした瞬間が最も美しく、それからは日ごとに劣化してゆくものです。
もちろん、しっかりとしたメンテナンスを行い、利用者に愛され、使い続けられれば、それなりに、きれいな年の取り方もできるのでしょうが、公共事業においてはそれはなかなか難しいことなのです。
一方、樹木は、お客様の土地に移植した瞬間から、その土地に馴染むように成長して行きます。

老化(劣化)して行くモノと、成長するモノ。
ある意味で、仕事として嫉妬をしてしまいました。
とはいっても樹木にも手入れは必要ですし、寿命もあります。
ただ、その寿命は、数百年に及ぶものも少なくありません。
公共事業においても、かつてはそういうモノづくりがされてきた歴史がありますが、現実として、自分が手掛けているモノ達が、そこまで長きに渡り、存在できるとは考えられません。

園児を育てるという事業も、人間が成長するための手助けをする価値の高い事業です。
樹木や教育といった事業と比べ、今の私達の手掛ける仕事は何て短命なものなんだろうと嫉妬したわけです。

永く永く世代を超えて愛され続けるモノづくり。
我々の業界で、それを実現するためには、素材の選定、すなわち設計の根本から見直さなければなりません。
加え、時を経てもそこにあり続けることに違和感のない素材感、デザイン。
モノ(製品)と、生き物を比較するわけにはいかないのですが、
まだまだ、モノづくりというフィールドの中で、追求しなければならないことの方が多いと気が付いた1日でした。



2011年1月5日水曜日

2011年 年始ご挨拶


明けましておめでとうございます。
平成23年/2011年がはじまりました。
1年は365日。24時間をかけると8760時間。
最近は1年間が、1ケ月が、1日が、1時間がすごく短く感じます。
水木しげるさんのように「無為に過ごす」ことを掲げ、意識でもしない限り、光陰矢のごとしですね。

特に、公共事業関係者の方々は、今が一年で最も多忙な時期だと思います。

年初の、新たな、気持ちの高揚しているこの時期に、ハイシーズンに突入できるのは良いことなのかもしれません。
昂った新たな気持ちのまま、たくさんの事に挑戦することができるのです。
いつもと同じ道を歩いても、気分次第で全く違った景色に見えるのと同じようなものかもしれません。


ただ、気持ちは高揚していても、現場は身を切るような寒さです。
気持ちと環境のバランスを巧みに保ちながら、何はともあれ「安全」に、ハイシーズンを乗り切りましょう。
忙しい中でも時間を大切に、仲間や縁を大切に、8760時間を大事に積み上げよう。

皆様の8760時間におかれましても、有意義な時を積み重ねることができますよう祈念致します。


※写真はsai-BRANDのオリジナルビスです。
今年もビス1本に至るまで、真剣に考え抜き、最高の品質を提供させていただきます。