2010年12月29日水曜日

東京都港区港南緑水公園ボードウォーク(3)       年末ご挨拶

昨日、仕事納めの前に港南緑水公園の現場の確認に行きました。
現場も年内の作業最終日で、作業と並行して年を越すための片づけが行われていました。
我々の担当するボードウォークは、運河デッキの床板の設置がスタートしています。
幅員は約3mで、運河沿いに防護柵、フットライトを設置します。

まだ貼り始めなので、延長が短いため良く判らないとは思いますが、弊社独自の「芝目貼り」で床板のパターンを形成しています。

来年の3月10日が工期なので、年明けから施工は、かなりスピードアップしていきます。
今回は、実施設計と設計監修が弊社の業務なので、年明けは現場のスピードに対応し、より迅速に業務を進めて行かなければなりません。

ここ、港南緑水公園を首都圏における看板プロジェクトにしたいと考えてきましたが、いざ、現場が始まり、形が見えてくると、一層、その気持ちが高まります。
関係者の皆さまと力を合わせ、良い現場、良い品質を提供し、開園後にたくさんの人々に楽しんでいただける空間にしたいと思います。

今年も全国各地で、たくさんの方々にお世話になりました。
また10月1日より、新生、株式会社saiブランドとして事業を分社し、再スタートできたことを皆さまに感謝致します。
来年も早々から、鹿児島で、京都で、静岡で、沖縄でプロジェクトが動き出します。
来年もまた、皆様方と共に全力投球で仕事に取り組めることを楽しみにしております。

2010年12月26日日曜日

東京都港区港南緑水公園ボードウォーク(2)

港南緑水公園整備工事(Ⅰ期)では,ボードウォーク、デッキは大きく3工区に分かれています。
1工区:運河デッキ(運河沿いに約131m続く直線のボードウォークです)
2工区:波型デッキ(運河デッキと取り合う曲線あり,段差あり,スロープありのデッキです)
3工区木道デッキ(内陸寄りにある人工池から立ち上がるデッキです)

前回は,運河デッキの下地工をレポートしました。
今回は,運河デッキ沿いに設置する防護柵の設置工をレポートします。

ボードウォークは,京浜運河側から施工を行い,その端部が波形デッキの基準となります。
京浜運河の下地工を行っていく上で,仮設フェンスが障害となりますので,下地工と並行に仮設フェンスの撤去が必要となりますが,仮設フェンスを撤去してしますとその下は,すぐ運河となり,転落等の危険が伴いますので,対策として新規設置予定の防護柵と入れ替えるよう工事を進めていくこととなっています。


新規設置の転落防護柵は,SP種防護柵「SWSP」で,ボードウォークのデッキと取り合うデッキモジュール製品です。
基礎への固定はベースプレートで,アンカーボルト固定式です。

設置は,まず後施工アンカー打設を行い,打設完了後,仮設フェンスを撤去しつつSWSPを設置していきます。ここでスラブの削孔にあたり,通例では,削孔時のコンクリート粉じんは,ブロアで吹き飛ばしていきますが,隣接施設や運河への飛散を考慮して,吸引していく方法で行います。(写真下)
削孔日は,雨上がりのため,コンクリート粉じんに水分が含み,吸引に手こずりましたが,51基分(204箇所)の打設が完了しました。
削孔後は,M20のボルトを接着材にて定着を行い,防護柵の立て込み準備は,完了です。
防護柵の入れ替えは,フェンスのない空間と時間を極力少なくするため,仮設フェンスの一部撤去→防護柵支柱+縦格子パネルの仮設置の順で繰り返し行います。(上右写真)
仮設フェンスとの入れ替え工事が完了したのち,支柱のレベル・水平調整・笠木の取り付けを行いSWSP防護柵の設置は完了しました。



防護柵の入れ替え工事と並行進行していたボードウォーク下地工は,京浜運河デッキの下地は,完了し,一部デッキ材の搬入も終わりデッキ貼りの準備が整いつつあります。
また波形デッキの下地工も見切りの際根太の設置も終わりつつあり,概ねの外形がわかるようになりました。
年末年始休暇まで後数日ですが,引き続き安全第一に作業を進め, 搬入されたデッキ材を貼り年を越す計画です。
次回のレポートからは,デッキ貼りの状況を報告していきます。

2010年12月22日水曜日

クリスマスプレゼント!


今日、sai本部に嬉しいプレゼントが届きました。

なななんと、去年の「果樹園事業部」に続き、今回は「大阪果樹園チーム」から

ハッサクとスプリングスイーツです!!

saiグループは本当に楽しい方々に囲まれている事をsai認識しました。

大阪営業所長、いつもありがとうございます。
年末や世間の殺伐としたこの時期に大笑いさせて頂きました。

関係各社の皆様、食べ頃に是非お越し下さいませ!!





2010年12月21日火曜日

「瓢箪から駒」 考


この物体をご覧になって、この素材をデッキやボードウォークにしたいと思う人は少ないと思います。
10cmくらいの短いサンプルを触ってみると、安っぽく、更に「軽い」という触感により、より安っぽさが強調されてしまいます。







しかし、これをきれいに敷き並べると・・・・


重量感や高級感を感じませんか?
床板の肩に面を取っていないことも幸いし、エッジが立った感覚があり、
さらに、この墨黒の色調が「和モダン」さえ感じさせてしまいます。

そう、これは先週に取りかかったトラックの荷台の改修工事に使用した表面部材なのです。
「個」としては、その魅力を引き出せないのですが、「集団」として一歩引いて見ると、「安っぽい」が「高級感」にガラリとその印象が変わってしまいました。
人間もそうですが、個人としてはパッとしなくても、集団として輝くことって、ありますよね。
例えれば・・・そう、合唱のような。



この製品は、通常の木工機械で加工も可能です。
カンナによる面取り、座堀はもちろんのこと、この材にビス固定もできそうなほどビスの効きも良い。
「軽い」という特性は、様々な分野で、その魅力を発揮しそうです。



私にとっては瓢箪から駒といった感じでしょうか。
思いもかけず、この製品の新たな可能性を発見したような気分です。
我々が手掛ける公共事業をはじめとする外構製品としての実用にあたっては、様々な試験や検証が必要ですので、安易には製品化はできませんが、「面白い素材」という強い印象が残りました。
この部材にとって、条件の悪い設計を行い、弊社の屋上で暴露試験をしてみようと考えています。



2010年12月14日火曜日

「サービサイズ」という考え方

先週のエコプロダクツ出展中に、弊社の展示物に興味を示された方がいらっしゃいました。
お話をしていると「サービスを含め、資源循環を実現しているものを探していたが、このブースしかなかった」とのお言葉を頂きました。
千葉大学法経学部教授と書かれた名刺を頂戴し、後日、記載されたURLにアクセスすると興味深い内容がたくさん。
その方の名は倉阪秀史教授。
ご専門は環境経済論、環境政策論とあります。

特に興味深かったのが、「サービサイズの可能性とその実現に向けて」と題された論文です。

以下、抜粋。
より尐ない資源エネルギーの消費で豊かな人間生活を支えていくための方策として、「サービサイジング」という考え方が注目されつつある。
サービサイジングは、1999 年に、アメリカのテラス研究所(Tellus Institute)のアレン・ ホワイトらがアメリカの環境保護庁に提出した報告書(White 他(1999))で用いられている 用語である。
彼らは、「製品ベースのサービス提供が現れることによって製造業と伝統的なサービス部門の活動の区別をあいまいにすること」をサービサイジングと表現した。
(中略)
日本においても、経済産業省が、平成17(2005)年から「グリーン・サービサイジング」に関する実証事業を進めている。経済産業省では、「サービサイジング」とは、「これまで製品として販売していたものをサービス化して提供する」ことを意味する用語であるとしており、その中で、環境面でとくに優れたパフォーマンスを示すものを「グリーン・サービサイジング」と呼んでいる。


教授が興味を示して下さったのが、弊社の「グローイングアップ・リース」という外構製品のリースシステムです。
このシステムを企画したのは、マテリアルリサイクルのできる製品を開発し、それをセールスポイントにしているにも関わらず、それを活かす販売方法が存在していないと気付いたからです。
従来通り、製品を製造し、販売し、工事・設置し、所有権を顧客へ引き渡す。
これではいくらメーカーとして良いモノ・技術を開発しても、それを「資源」として循環させることはできません。
そして気付いたのが、所有権を販売サイドにおいたまま、利用権を売るリースという考え方でした。


これが環境経済論の大家、倉阪秀史教授の目に留まったのは幸いでした。
本日、コンタクトを取らせていただき、サービサイズの記事を紹介させていただくことも快く了解下さいました。
私にとっては、孤軍奮闘し、開発、運営をしてきたものですから、何か大きな支えを頂いたような心境です。
サービサイズという考え方に則し、グローイングアップ・リースをより現実的な高みに押し上げて行きたいと強く感じた一日でした。



■千葉大学法経学部 倉阪秀史教授のHP■

東京都港区港南緑水公園ボードウォーク(1)

東京都港区様発注の港南緑水公園整備工事で、リバースウッドデッキシステム沿岸仕様をご採用いただきました。
先週から現場がスタートし、現場はもちろんのこと、実施設計や材料の製造工程管理で関係者は休む暇もない「年度末モード」に突入しています。


さて、いよいよ現場レポートのスタートです。
写真は、ボードウォークの基礎となる土間コンクリートの測量をしています。
本計画のボードウォークは、延長は約100m、最大幅員は約19mと大型のボードウォークというだけでなく、曲線や、段差が多く取り入れられている複雑な構造です。
従って、デッキ下の基礎に設けられる導水勾配も複雑で、今回はスラブドレン式の排水システムが採用されました。(写真縁石コンクリートの左にある溝)
12/6は、護岸法線と、これに基づくベンチマークの設定などの測量を行い、同時に第1便の資材搬入を行いました。

写真左手が京浜運河。これに並行して全延長に幅員3mの横貼りのボードウォークが走ります。
根太はお馴染みの"マリンランバー”です。
ガラス繊維とウレタンを原料としているため、「腐る」という心配のないライフサイクルの長い製品です。
根太芯ピッチは@500mm。
デッキの運河側に防護柵、ソーラー照明灯を設置するため、これらの製品がデッキのモジュール(@150mm)で配列できるよう根太位置に工夫をしています。


いよいよこの仕事を始めることができました。
今回、弊社は、メーカーとして資材を納入することに加え、実施設計及び設計監修を請け負っています。
直接施工を行うことができない歯がゆさはあるのですが、新たなメンバーと共通の価値観を持って現場に挑むことができるチャンスと捉え、各々がプロフェッショナルの仕事ができるよう努力をしたいと考えています。

なので、いつもの現場レポートとお伝えできる内容が少々異なるかもしれませんが、都内の数少ないビッグプロジェクトの様子を皆様に少しでもリアルにお伝えできればと思います。


最後になりましたが、現場レポートの紹介を許可いただきました港区街づくり支援部土木課公園係様に感謝致します。