2012年4月20日金曜日

葛西用水親水空間創出工事・・完成報告


H24年2-3月にかけて越谷市役所前の葛西用水沿いの藤棚下に張出ステージデッキを施工しました。
施工場所は、藤棚通りとして著名な場所ですが、歩道から護岸法面になっているため藤棚下を歩くには難関かな・・・といった現場でした。
今回の工事は、藤棚→葛西用紙への親水性を図ることを目的として藤棚下の護岸法面上に張出ステージデッキを設置するものでした。
施工範囲は、藤棚下に歩道デッキとして、L120×B3.6m、歩道デッキからW4.0m×24m;1箇所とW4.0×8m;2箇所の張出デッキを施すものです。
設計のコンセプトして、デッキ下の骨組み部のブレス材などを露出させず、すっきりとした構造を図るものとしています。
下地構成は、支柱材+大引材(H鋼材)+根太材(C形鋼、ハット形鋼)として、幕板で覆うことで、正面からは支柱のみが見えるだけの構造です。
またデッキ材は、水辺の親水ということで、水の耐吸水強い素材のリバースウッドAW(フライアッシュ含有人工木)を採用しています。
施工は、元請(山﨑建設様)が護岸法面の造成と基礎工の設置を行った後、下地工事を進めて行く形でした。
まずは、支柱固定の後施工アンカー打設工からのスタートです。
かなりの数量があり、4日間の日数を要しました。その後は、支柱の設置とレベル合わせ、大引材をラフタークレーンで吊り込んで設置を行い、レベル調整の上、根太材を設置していきました。
今回は、ステージ仕様のため通常は、大引の上にじかに根太鋼を設置するのですが、歩道デッキ部に関しては、スロープ形状でもあり、連接の歩道とのレベルすり合せのため、レベル調整の工数が増えますが、大引H鋼に支持脚を立てた上、ハット型根太鋼を設置する工法を採用しています。
大引の折れ点とスロープとの接合など現場として難しいものですが、以前より弊社の仕様の工事をお願いしている藤枝市の竹田工業所さんに当現場の下地施工をお願いし行いました。
現場での微調整など柔軟に対応してもらい良い下地が完成できました・・・ありがとうございましたm(__)m
下地の進行と並行してデッキ貼り工事もスタートしています。
施工は、北十間川(スカイツリー下現場)を担当した、弊社お馴染みのウェッジで行っています。今回の留意点は、防護柵支柱とデッキ目地の取り合い、貼り方向違う張出部と歩道部の目地の取り合い、幕板とデッキの目地の取り合いなど細かいところまで目配りをしての施工を要求しましたが、期待通りの作品となったと思います・・・施工中、雪/雨に見舞われ工期など大変でしたが、いつもながら高いスキルでの施工に感謝していますm(__)m
また、今回の防護柵には、ソーラー照明付支柱を数本ごとに設置し、夜間フットライトとして機能するよう施し、安全性を高めるともに夜の景観にも一花を咲かしています。
藤が満開となる頃、このデッキを歩くことが、待ち遠しいです。
当工事にあたり、元請の山﨑建設様、下地担当の竹田工業所様、デッキ担当のウェッジ様、他関係者の方々にお礼を申し上げます。

スカイツリーの下で…2(北十間川植栽施設等工事)完成報告

スカイツリー下、北十間川の業平側に、スカイツリーをバックにした写真スポットとなるステージを施工しました。
仕様は、マリンランバー(ガラス長繊維強化プラスチック発泡体)を根太と支柱を下地構成として、床板は、リバースウッド(中空型)を使用しています。貼り方は、saiブランド仕様の芝目貼り工法として、無表情の再生木材に息を吹き込んでいます。
施工は、現場の墨だしから始まり、支持脚、支柱の設置を施します。
ここでは、支柱と階段部の構造が不連続にならないような構造のため特に墨だしに留意しました。
土間のずれもなく、墨だし、 下地施工は、スムーズに行うことができ、
施工期間としては、下地までが1.5日程度で完了しました。
デッキ貼りに関しては、芝目貼り(デッキ表面のサンディングの方向)の管理と日中時の材料の伸びに対応した寸法管理を重視し行い、1.5日で工事を完了できました。
ステージの上からスカイツリーをバックに撮影した写真です。被写体は、施工を担当した㈱ウェッジ職長さんです。
お疲れ様でしたm(__)m
この施設が、訪れる方々に、写真撮
影のスポットして快適に利用し、気持ちの良い場所だなと思って頂けることを願っております。

2012年4月19日木曜日

スカイツリーの下で…1(北十間川水質浄化施設等整備工事)完成報告

スカイツリーの下に北十間川が流れています。
その両岸7箇所(スカイツリー側護岸に4箇所、対岸に3箇所)のの張出デッキを墨田区発注工事としてH23年7月からH24年1月の間で行われました。
左写真は、H21年9月頃のもので、まだデッキ基礎護岸も施工中の段階です。ここから風景が変貌していきます。
当工事は、デッキ7箇所のうち5箇所が北十間川の水質浄化施設(噴水)とコラボする計画です。
デッキ形状は、半円型となります。
矩形の基礎護岸上に、半円形状となるよう大引(H鋼材)を張出してケミカルアンカーにての固定です。
根太(マリンランバー;ガラス長繊維強化プラスチック発泡体)の設置は、レベル調整を大引側で行っているので、通りピッチ@500を管理しての設置です。
特に当現場での下地工においては、防護柵のピッチの関係もあり、大引設置に気を配って行い、ほぼ設計通りの設置となりました。
デッキ設置工は、当初計画では、川側に鉛直に貼りだしていく計画でしたが、防護柵支柱脚部とデッキ目地の管理が不均等になり、見た目に芳しくないため、デッキ貼り方向をRと並行jにして防護柵支柱脚部とデッキ目地の管理を均一化しました。
デッキの方向性にもアンジュレーションが出て、綺麗で規則性のもった仕上がりとなっています。なお、デッキの貼り目は、saiブランドの標準管理の芝目貼り工法を採用しています。
SP種の防護柵は、白色としています。他防護柵は、すべて茶色ですので、7箇所の張出デッキは、インパクトがあり、周辺施設ともマッチしたものとなりました。
照明は、青色のLEDを支柱頭部から足元の反射板に照らされる構造で、これも周辺の夜景に溶け込み綺麗な仕上がりと思えます。
以上の、7箇所の工区を安全に施工し、H24年2月中旬に引渡となりました。
完成写真は、下の通りです。
北十間川浄化施設(噴水)とのコラボも見た目2次元の川とデッキの景観がが噴水によって3次元の景観になり、護岸の上からも親水性が向上され、スカイツリーに訪れる方々にも憩いを与え、本年度最高の目玉施設のオープンにマッチした護岸が創出されました。
最後に、当現場に携わった方々に感謝とお礼を申し上げます。
■完成写真
                                               
    

2012年4月18日水曜日

ピールド工法(ハードウッドの表面処理工法)

UDXビルデッキ改修工事ですが、 本日、16時から施主様による1工区目の立ち会い検査がありました。
結果として、何の指摘事項もなく、仕上がりについて、非常に喜んで下さいました。
この品質で、2工区目、3工区目もしっかりと施工を行います。

さて、今回は新たな技術を導入しました。
前回も簡単に触れましたが、既設デッキ材に"のこめ”模様を加工しました。
これにより、滑り抵抗が上がるとともに、意匠的にも面白いものに仕上がります。
一部に新しい材料を入れたのですが、それも分からない程、きれいに蘇りました。


このハードウッド材への表面加工ですが、工法名を「ピールド工法」とし、デッキやボードウォークの改修の市場へ展開して行きます。
劣化診断の結果、根太は腐食が認められましたが、床板は健全な状態であったために、表面加工を行い、Re-Birthしたのですが、資源の有効活用、新設よりもローコストでご提供することができました。

しっかりと劣化診断を行い、まだまだ機能できる床材を捨てずに(燃やさずに)再利用し、CO2削減に貢献して行きたいと思います。


peelとは、「皮を剥く」という意味で、文字通り、一皮剥いて再生し、現場へ戻す工法です。
このピールド工法ですが、表面の仕上の種類も様々なものがあります。
ご興味のある方は、saiブランド本社までお問い合わせ下さい。

ちょうな     のこめ     いしがき
かりまた    きっこうなぐり    さざなみ


しんめ       たてわき     つきのみ

2012年4月13日金曜日

御影石+天然木のスツール

取引先の石材屋さんからのご依頼により、彼らの加工した石材に、ウリン材の座板を加工し、取り付けました。
角型、丸型のスツールです。



使用した材料はウリンの90mm角材で、φ30mmの座掘りをし、M12ボルトで土台となる御影石に固定し、木栓をし、完成という、文字で書くと簡単なのですが、現場からは「大変です」の報告が上がってきます。

大変その①
全ての座板にR20の面取り加工を行うこと
このように両手で持つ、いかにも重量感のあるルーターを使いこなすこと。
その前に、この仕事のためにルーターを買わなければならないこと・・・

大変その②
コンクリートと違い、御影石は密度が高く、そう簡単にきれいな下孔が掘れないこと
これは、振動ドリルの使い方で、押さえつけるのではなく、力を抜いて、機械を跳ねさせてやることにより効率が上がることが判明したとのことでした。
慣れてくるころには、現場は終わってしまうんですよね。


大変その③
大きな木栓、ここではφ30mmの木栓を使用していますが、このサイズの木栓は流通していないので、このためだけに100個の木栓を作りました。


座板は39本、アンカー・木栓は78箇所の加工、取り付けを行い、スタッフは、そんな大変な2日間を過ごしたそうですが、石の面白さにも気付いたようです。
ご苦労様でした。
そんなこんなで、昨日までに角型スツール6基、丸型スツールが5基完成し、本日、現場据え付けということです。
最近、天然木材の記事ばかりになっているのは、気のせいでしょうか。

2012年4月12日木曜日

秋葉原UDXビル外構デッキ改修工事(5)


静岡で表面加工した床板が、朝8時に現場へ届き、午前中で1/4を貼り終えました。
表面加工した床板は、滑り抵抗が上がり、これで歩行者の安全性が向上します。
発注者様である秋葉原UDX総合管理事務所の玉野課長のご発案により、デッキ材の配列を一列ずつ加工の目を変えることにより、双方向の歩行者に対し、滑り抵抗を上げることができました。

その結果、機能面だけではなく、ご覧の通りに模様が波のように連続し、非常に美しい仕上がりとなりました。
玉野課長、素晴らしいご提案をいただき、ありがとうございました。


ここで、デッキ材を固定しているビスをご紹介します。
この現場で使用するビスは弊社のオリジナルDR6-47B。
DR6-47Bは、鋼製根太用に開発しました。
強度とデザインにこだわり、せん断力は2tという性能を誇ります。
ドリルスピードの従来品の1.5倍ほど向上させました。
刃先やネジピッチに工夫を凝らしているので、企業秘密ゆえ写真は敢えてぼかしています。

マリンランバー(ガラス長繊維強化プラスチック発泡体)用はTG6-65B(写真中央)で、頭の形状は六角穴で統一しています。
六角穴は、どの角度で止まっても同じに見えること(十字穴はそうではない)、ビットやビス本体がなめ難いという特徴があります。
弊社では、公共空間にはビス仕上げをお勧めしています。
何よりも床板を1枚ずつ外せることが、メンテナンスを考えると有効と判断しています。
また、ビスラインもデッキのデザインにおける大きな要素と考えています。


弊社に限らず、たかがビスですが、意外にもたくさんのデザインがあり、納まりフェチの私としては非常に興味がそそられます。
みなさんもたまにはデッキに使用されているビスを見てみて下さい。
面白い世界がありますよ。

sai-BRAND YUKI

2012年4月10日火曜日

秋葉原UDXビル外構デッキ改修工事(4)

下地の取付が完了しました。
下地の仕様は、既存のボルトを活かし、根太材と根太受けプレートを取り替えるような提案をさせて頂いています。

 今回のような床板を残した改修で難しいことの1つとして、床板に空いたビスの穴を活かし、再度新たなビスで根太に固定する作業があります。この現場では、場所柄も手伝って作業時間も限られているため、作業スピードも重要なポイントでした。

それらを考慮し、上面の幅が80mmある根太を提案し、採用させて頂いた事で、多少の誤差があってもビスが根太を外れず、時間的にも効率良く作業が進む事が出来ています。

木曜のデッキの仕上げ工が楽しみです。

sai-brand takizawa

2012年4月9日月曜日

秋葉原UDXビル外構デッキ改修工事(3)


静岡に運搬したデッキ材に表明加工を施しました。
模様はいくつかの選択肢から施主様が選んだ「のこ目」模様。
サンプルよりも古材の味わいが出て良い感じに仕上がりました。
板により、若干の反りやふくらみがあるのですが、加工プログラムが一律なので、それらを反映した模様が刻まれます。

今回、施主様より、雨の日に滑りやすいという問題点を提起されたため、歩行する上で、滑り抵抗が上がるよう、表面加工を提案させていただきました。
現場では、写真のように1列ずつに目を変えて欲しいとのご要望があり、のこ目が連続し、このような波型の意匠と相成りました。
やはり関係者の思いを実現することは大切で、目を変えることにより新しいデザインが生まれました。
さて、この新工法ですが、デッキの改修に非常に有効と判断できました。
現場での再敷設が楽しみです。

さて、今から東京へ戻ります。

sai-BRAND YUKI

秋葉原UDXビル外構デッキ改修工事(2)

いよいよ秋葉原駅前でのデッキ改修工事がスタートしました。
今回は、秋葉原駅前という立地であり、このデッキ上で毎週末イベントが開催されるという利用状況を考慮し、再生木材ではなく、既設のデッキ材の再加工、すなわちリユースを提案させていただきました。
もちろん劣化原因であった、下地構造である根太材は一新します。

床板は初期のハードウッドの代名詞であるオーストラリア産のジャラです。
今回の工事では、床板を再加工し、同じ場所へ戻すために、板材の1本1本にナンバリングを行いました。
計29×5パターンで145枚のデッキ材にナンバリングしたことになります。



次にデッキを固定しているビスの取り外し作業です。
ビスの材質はSUS304で、ネジ径はφ5mm。
これは一般的な木ネジなので、板材の反りをはじめとする「動き」に追随できず、折れている箇所が多く見受けられました。


弊社の劣化診断の結果、床板は設置後7年を経過しているにも関わらず、全く問題がない状態でした。
しかし、床板を支える根太材が腐食し、ビスの保持力を無くし、床板が暴れたというのが弊社の見解でした。
劣化原因を施主様にお伝えし、まだまだ使用に耐えうる床板を廃棄してしまうには惜しく、期待寿命が全うできるよう劣化因子を排除、改善する提案をさせていただいたところ、「それができるなら是非そうしたい」とご決断をいただきました。
主役である建物と同じ時間を過ごし、エイジングして行くのが天然木材の大きな魅力です。
これをご理解いただけたことを素直に嬉しく思いました。


さて、撤去した床板を加工するために、チャーターしたトラックに積み込みます。
運送は弊社の物流をいつもお手伝いしていただいている江戸川の彦新運輸さんです。
余談ですが、この車輌の荷台には、弊社のTCDS(トラック・カーゴデッキシステム)が採用されています。

私も新幹線で加工場のある静岡へ移動し、今回の表面加工の工程を確認してくることにします。