2009年2月27日金曜日

焼津漁港ステージデッキ・見晴台 現場レポート9


現場代理人sai-5120に代わり、主任技術者sai-1525の久々の投稿です。
ご覧のように、ステージデッキはほぼ完成に近づいています。
今回開発したSP種防護柵も化粧板が貼られ、世に出ました。
いわゆる第1号です。

この防護柵の特徴はなんと言ってもアルミの押し出し型をトップブラケットに使用していることです。
防護柵は直線ばかりでなく、傾斜やコーナーへの対応も必要なことから、従来の製品は可変部にボルト等を使用し、傾斜に対応していましたが、この製品は共同開発メーカーの丸秘アイディアのおかげで、ボルト類が一切露出しない構造となっています。
また、笠木もこのような自在ブラケットを取り付けることにより、折れ点、勾配に自在に対応ができるのです。
製品開発には、経験と冒険心が必要です。
冒険心を持つ人は、人とは違う発想、アイディアが詰まっています。
良いパートナーメーカーと出会えました。



さて、展望デッキはどんな具合かというと・・・
共和成産さんの職長「天野さん」が蜘蛛の巣貼りのデッキにもくもくと取り組んでいます。(親父ギャグだなぁ)
天野さんはこのような強面ですが、仕事を見ていると几帳面で、非常に丁寧な仕事をします。
このデッキの表情も彼の腕にかかっています。
最後まで持ち前の丁寧な仕事でお願いしますね。

こちらは同じく共和成産さんの新村(しんむら)さん。
彼は役物と呼ばれるいわゆる加工モノが得意で、正確に角度を測り、見栄え良く仕上げてくれます。
役物の加工は、平面のデッキ貼りと比較し、なかなかスピードが伸びません。
他のメンバーがスピードを競い合うようにデッキを貼っている中、彼は飽くことなく懸命に役物に取り組んでくれています。
これも適材適所といいましょうか、チームワークの成せる技ですね。


溶接をしているこちらは竹田工業所さんの竹田社長と大須賀さんです。
実は大須賀さんがこのブログをご覧になって、「俺が写ってない!」とおっしゃられたため、今回は主要メンバーのご紹介と相成りました。
竹田工業所さんは、今回はじめてご一緒させていただいた鉄工所さんなのですが、正直、いいメンバーが揃っています。
社長のバイタリティー、チームワーク、現場での機転、責任感。
息子さんの時代になっても、この実力を継承して欲しいと心から思う次第です。

全国各地の現場で様々な職人さんと仕事を共にします。
初めてお会いする職人さんと、図面を見て、会話し、昼飯を共にし、互いの意思の疎通を確認できた時、この仕事は面白いなぁとつくずく感じます。
経験と腕を頼りに様々なアイディアを出し合い、工夫をし、より良いモノが出来上がった時、再びそれが経験となり次の新しいモノへの土台となる。
設計も開発も現場も営業も、こんなリレーションから全てが始まる気がします。

焼津漁港ステージデッキ・見晴台 現場レポート8

工事終盤で雨にたたられ作業が思うように進まない中,ステージデッキ,見晴台の施工を行う一週間となっています。

まず,ステージデッキの方は,ステージ側面のリバースウッド縦幕板とエキスパンドメタルの取付を行いました。
段差部分の取り合いは縦幕板の目地調整で行います。通常5mm~4mmで設置後の目地のばらつきもないよう板を配列しています・・・良い仕上がりとなりました。

また,ステージデッキの手摺部の化粧板取付も行います。
化粧板はデッキFL+10mm~手摺笠木ブラケット下-5mmで設置しています。取付箇所は,手摺支柱の正面とその裏面2ヶ所に,各上下2本ずつ計4本/枚のビスでの取付ています。
これでステージデッキの施工は仕上げ作業を残して概ね完了となりました,



見晴台は,階段部,八角ステージ部のデッキ貼りに進んでいます。
八角ステージ部のデッキはいずれも目地が均一にあり,目地事態がデザインといってもおかしくありません。
そのため仕上がりに合わせ水糸を張り,目地の通りなどに気を配り作業を進めています。
階段の踏み板は,構造材の溶接によるひずみが発生しているため各段の寸法を計測し,それに合わせ板を切断しています。
いわゆる目地間隔を各段同一にして見た感じのバラつきをなくすものとしています。
これからしばらくこのような雨交じりの天気のようです。
何とか作業に支障が出ないような雨の降り方であってもらいたいものです。

2009年2月20日金曜日

焼津漁港ステージデッキ・見晴台 現場レポート7


2/19 ステージデッキ部の手摺が現場搬入となりました。
延長は45m程度,設置済みの支柱に笠木・上・下桟受け具を支柱にビス固定し,笠木,縦格子パネルを設置していく作業となります。
8時半にトラックを現場横につけ荷降ろしをスタート。
作業人員は,弊社2名(主任技術者,現場代理人),共和成産さん1名(主任技術者)の3名で行いました。
材質はアルミのため軽く,荷降ろしと合番に沿った部材の振り分けを併せて1時間かからず完了しました。
10時前手摺メーカー風憩セコロさん技術指導員の方が到着し,附属品等の確認を行った後,設置現場指導が始まりました,
まず,予めビス穴を施してある支柱に上・下桟受け具をビス固定します。
その受け具に縦格子パネルを乗せビス固定します。
固定完了後,上桟固定カバーを取付ます。上桟カバーはレール押し込み式のためビス固定は必要としません。
パチンとはまり音がしたら固定はOKとなります。
次に支柱に笠木固定カバーを取り付け,芯材の入った筒再生木材の笠木を受け部に配置し2本ボルトによって固定していきます,
全体を仮固定したのち,本締めをして手摺の設置は完了となります。
この日の作業は荷降ろし,角場所への振り分け,現場指導はスロープ部,段差部,階段部,標準部の各1箇所の指導をしてもらい,後日作業員に指示をして設置していく予定でした。
いざ現場指導が始まると支柱の立ちの上がりの精度,設置指導が良かったことから作業スピードが早く気がつけば私たちの手で設置が完了となっていました。
荷降ろしから45m程度の手摺延長の設置完了まで所要時間は6時間ほどとなりました。
手摺設置後のステージデッキは,その前に比べかなりしまった良いものに早変わりしました。
現場指導の風憩セコロさんありがとうございました&共和成産さんお疲れ様でしたm(__)m
良い仕上がりになりました。
2/20は雨のため現場は作業中止としました。
2/21より見晴台,ステージデッキの仕上げに向かって作業を再スタートします。


新型SP種防護柵関連記事

2009年2月18日水曜日

焼津漁港ステージデッキ・見晴台 現場レポート6


焼津漁港ステージデッキのデッキ貼工も外側の立て幕板貼工(写真右の鉄骨部に貼り予定)と仕上げ調整を残した状態となりました。
仕上げ調整は目地の通り,ビスの通り・打ち位置・打ち忘れ,デッキ材の割れなどをチェックし,貼ったままで手直しできる箇所においてはその状態で修正を掛けますが,それ以外は貼り替えを行っていきます。
仕上げという名の通り,この作業は,デッキの貼り作業が大方終わった時点で行う予定としています。
写真背後の支柱に設置予定の手摺は2/19に現場搬入となっています。
手摺設置の許容は5mmとしておりますが,現場鉄骨立込時の調整等で3mm以内での支柱の設置となっています。手摺搬入と同時に手摺メーカー風憩セコロさんが現場指導に来て下さるので,指導のもと手摺の設置を行っていきたいと思います。


現状までのデッキ貼工の中での留意するところであった手摺支柱とデッキ材の取り合い(写真左;2枚の板の目地センターで柱芯と取り合う)も概ね出来ておりデッキと支柱の見た目のバランスも保たれております。
また1:4勾配スロープ部(写真右;色合いの変わっている箇所で手前から奥に下っています)の下段上段のデッキ面とスロープデッキ面の取り合い,支柱とスロープ部デッキの取り合い(ステージデッキと同じ管理基準)にも大きな誤差の発生もありませんでした。鉄骨部の調整に時間を要しましたが,無事に貼り終えることができました。
このような状況下ステージデッキは段々と完成に向け作業が進行しています。

2月16日は,見晴台の鉄骨部の設置が開始となりました。
施工担当は引き続き藤枝市の竹田鉄工所さんが担当となります。
見晴台は,GL+1.8mの高さの八角形ステージ,GL+1.65mの高さの踊り場,さらに踊り場から両サイドにおりる階段の構成になっています。施工面積は狭いですが,高さ・意匠・形状の関係から鉄骨部はステージデッキとは違い工場にて溶接を行い,ユニット化したものを現場に搬入しました。

見晴台という通り高台に設置するため資材の搬入は基礎コンクリートにアンカー打設したのち支柱を建て込み各パーツを立て込みを兼ねて25tラフターにて行っています。
このような状況で作業を進行するわけですので,立て込みに要する時間は非常に短く,立て込み後のレベル調整を含み,概ね1日作業で完了となりました。
次回からはデッキ貼りへと進行していきます。














2009年2月14日土曜日

新製品(用途)開発

このブログでも度々ご紹介させていただきました弊社のお客様「TWマリーナさん」より以下の宿題をいただきました。


1.施設内で契約艇の塗装をするのだが、粉塵が出て困っている
2.大型の船舶(15m級)が多いため、専用の立屋を造ると大きくなりすぎてしまう
3.塗装ヤードはイベント等でも活用するため、仮設で何かできないか


 このような宿題を昨秋にいただき、年末まで暖めていた企画(設計)をこの度、ご採用いただくことになりました。





上の写真は、皆さんの職場や街中でもよく見かける旗ポールです。
今回は、このポールのメーカーであるサンポールさんの協力を得、新たな用途を開発しました。

これが我社の新製品です。←クリックしてみて下さい。

アルミのポールを3.6mピッチに設置し、ポール間に塗料飛散防止ネットを取り付けるのです。
そう、社旗や安全旗を揚げる要領ですね。
ネットを張ると、ヨットのセールのように風を受けることになりますが、このマリーナさんの作業管理基準である風速10m/sまで作業可能にできるよう、風圧計算を行い、ポールと基礎の構造を決定しました。

また、ポールの反対側になる壁は、近い将来、緑の壁に生まれ変わる構造としています。
今回の工事でH型鋼を柱に使うのですが、この柱を使い壁面緑化を計画しています。
マリーナの所在する東京都●●区では土地利用にあたり、厳しい緑化条例があるのですが、この壁面を緑化することにより約70㎡もの緑が得られるのです。

工事は3月初旬からを予定しています。

TWマリーナさん同様、敷地を有効に使いたいため、塗装ブースを設けているマリーナは少なく、敷地内でどうにか塗装を行っているマリーナが多いのですが、船底塗料をケレンする時に飛散する削りカスが宙を舞い、海や近隣に堆積する事例が各地で見られます。
TWマリーナさんは、いち早くこれを問題視し、対策を講ずる判断をされました。

ポールは使用する度に簡単に抜き差しできる軽量なアルミポールです。
塗料飛散防止ネットは、マンション等の塗装によく使われている汎用品です。
安価な投資で高い機能性が得られることを期待して工事の準備に入ります。

2009年2月12日木曜日

焼津漁港ステージデッキ現場レポート5



デッキの穴明け加工は1995mm材540枚を共和成産の工場に持ち込み根太ピッチに合わせた位置にNCを使用し穴を空けていきます。
加工能力は,一日当たり300枚程とのことで,現場での人力による穴明けの精度と作業効率を考えると,かなりの作業時間の低減に繋がります。
また座掘深も一定となり,ビス頭の出入りも無くなり一定となり,安全かつ見た目も良好となります。




工場にて穴明け加工を施した材料を現場に搬入しいよいよデッキ貼りのスタートとなります。
まずは根太に対して直角で貼りスタートとする法線の決定が必要となります。
今回の配置計画は写真背後の手摺支柱を必ず2枚のデッキ材のセンターで取り巻くこととしていますので,手摺支柱の配列起点となる最奥の柱を基準としてデッキ貼りをスタートしました。
デッキ貼りにおいて再生木材の欠点でもある熱膨張帳による目地間隔んの問題があります。弊社では最大膨張を2m材を基準として5mmとしています。これを維持するため貼り始めの午前・午後と各休憩時に材長を計測しその時の伸び長を5mmより控除して貼るようにしていきます。
5mmの間で材料の動きを制御するということになります。
また,材料表面にもサンディングによる目があります。一定方向に貼ってしますと表情のない仕上がりになってしまいます。目を確認しないでただバラバラに貼っていくとしまりのない仕上がりになってしまいます。
当現場では,目を1列ごとに逆目にするようにしました・・・よく見るサッカー場の芝目のような仕上がりにしました。これにより無表情な再生木材にもインパクトがでて生きた表情をみせてくれます。








このような管理の中,デッキ貼りをスタートして行きました。
手摺支柱のデッキの取り合いもすべて設計通りとなり,デッキ貼りを進めて行きました・・・天気にだけには電動工具を主流とする作業ですので敵いません。
2/10の午後には突然の夕立に襲われ作業を中断せざるを得ませんでした。
仕上げの終盤でもあり少々先の工事に不安もありましが,夕立が去ったあとステージデッキの背後から虹が上がりました。
きっとこれから先の工事も順調に進むでしょう・・・そんな気にさせてもらった一瞬でした。







2009年2月6日金曜日

焼津漁港ステージデッキ現場レポート4



鉄骨組に目処が立ち、今日から仕上げ材となる再生木材を敷設していきます。
何度も書きましたが、鉄骨組は工場でのプレカットを徹底し、現場ではボルトアップするだけという工法を採用しました。
これにより現場で排出される鉄くずは「ゼロ」になり、汚い溶接痕も一切ない「きれいな現場」を実現することができました。
パーゴラや東屋といった外構製品は部材のプレカットは当たり前なのですが、この規模のデッキをプレカット工法で仕上げるには、事前の測量、設計が完璧でなければなりません。
何せ柱が116本もあるのですから・・・
しかもこの柱にデッキの下地となる大引や根太だけではなく、防護柵やスロープが取り付くのですから。
鉄骨の加工を委託した竹田工業所さん(藤枝市)の精度の高い仕事で、現場はほぼ完璧な状態で仕上がりました。


ここまで来たら、仕上材となる再生木材にもプレカットを施そうと、施工協力をいただいている共和成産さん(藤枝市)へリバースウッド材を搬入し、ビスの下穴を加工することにしました。
共和成産さんは、木工加工であれば不可能なことはないと思えるほど最新の機材を揃えられています。
このビスの下穴加工は一見大した作業には見えないのですが、現場で行うと、その深さ、位置が少なからず狂ってきます。また、加工の際に出る木粉も相当な量です。
これらの問題を工場加工を行うことで全て払拭できるのです。







下穴加工を施したデッキ材を現場へ搬入しました。
ここで秘密作戦を決行します。
搬入したデッキ材の木口にある仕掛けをしました。
これがデッキを美しく見せるためのノウハウなのですが、完成後にその効果が判明するでしょう。







搬入したデッキ材を図面通りにレイアウトしていきます。
「レイアウト」と言えば簡単に聞こえますが、デッキは「通り」が命です。
17m角のデッキですから対辺は17m×√2=24mとなり、この24mの通りをきっちり美しく仕上げるのが職人の腕にかかってきます。
職長のAさん、美しい仕上がりを期待していますよ!







追記
今日は元請さん(橋本組)主催の安全講習会が開催されました。
平時「当たり前」と思っている作業が油断を呼び、大きな事故に繋がるといった内容でしたが、最近起こった実際の事故の事例をご紹介をいただき、大変分かりやすい講習会でした。
我々の作業も安全面では大した危険はないように思われますが、落下、電動工具の不適切使用、長尺資材(重量物)の運搬等々、事故の原因に繋がる要素は無数に存在します。
「当たり前」の作業を「当たり前」にこなすのが技術です。
「気を引き締めてプロの仕事をする」いい機会になりました。

2009年2月4日水曜日

焼津漁港ステージデッキ現場レポート3



突出した柱は,転落防護柵の柱も兼ねています。
ステージデッキ側と外側には化粧板が施されますが,柱間にはアルミの格子パネルが取り付きます。
そのためその面には,塗装を施します。
塗装法は,金属との密着を高めるため,まずエッジングプライマーを塗布し,次に塗料との密着のためのエポキシ系のプライマーを塗布し,最後に仕上げ塗装となります。
仕上げ塗装は二度塗りとしていますので,本日の作業は,最初の本塗りとなり,一日養生したのち最後の仕上げ塗装を施します。
概ね,鉄骨工は完了となってきました。
明日はいよいよデッキ材の搬入となります。
次回のレポートではデッキ材の施工状況をアップしていきます。


鉄骨組上げもいよいよ最終調整となります。
ここで重要になるのは,鉄骨の上にデッキ材を敷設するため根太の継ぎ目で凸凹がないことと根太通りに波がないことです。
そこで計画高に合わせ,各支柱ごとにレベル計測を行い調整をかけます。
調整方法は下げの場合はベースプレートの受けボルトを下げ,上ボルトの締め付けで容易にできますが,上げの作業は鉄骨が一体化してるためボルト回しだけでは動かずジャッキアップを行い一度ベースプレートを浮かせ計画高に調整します。
調整目標は根太通しで5mm程度としていましたが,当現場では全体で3mm程度の仕上げとなり。非常に優秀な精度となりました。



鉄骨の組立は,ベースプレート+支柱,大引材,根太材の構成となっています。
ボルトアップの組上げのため,作業スピードは速まりますが,地盤面より1~1.3mの高さでの作業となり雨の天気では安全とボルトの締め付けに良くないので天候が問題となります。

先週の金曜日以降は,雨の天気のため主要部材の概ねの組上げが完了していることもあって現場作業は中止としました。