2011年12月30日金曜日

年末のご挨拶


今年は3月11日以来、世の中が大きく変わったような感を受けました。
海洋土木という世界に身を置いて、仕事に邁進してきましたが、
人間の限界をつくづく思い知らされました。
一方、経済も日本だけでなく、欧米のダメージも相当なものです。

これらの事象から、資本主義というものの限界を感じたりもします。
この地球に住まわせてもらっている我々人間にとって、
「住みよい環境を創る」などという聞きなれたセリフが遠い昔の言葉のように思えます。

我々、sai-BRANDの一年は、多忙を極めた年になりました。
グッドデザイン賞をいただいた港南緑水公園や、現在施工中のスカイツリーの真下に流れる北十間川の環境整備事業、新たに受注させていただいた徳島市新町川の水上ステージなど
水辺をテーマに、しっかりと設計を練り、提案を行ってきたつもりです。
公共事業関連の業務が大半なゆえ、地球のため、地域のため、利用者のために
弊社として、何を発注者に提案すべきか、また、今までの既成概念が新たな発想を阻害していないかなどの自己確認をしつつ、群れることなく新たな技術開発を行って行きたいと思います。

来年は辰年を迎えます。
画竜点睛(がりょうてんせい)
(わずかなことであるが、それを加えることによって物事が完成、成就することのたとえ。)

いただいた表彰や実績に奢ることなく、前述した気持ちを加え、
「資源でありつづけるモノづくり」という弊社の経営理念を確立する年にしたいと思います。
今年もたくさんの方々にお世話になりました。
皆様と共にモノづくりができたたことを幸せに思います。
ありがとうございました。

新しい年のsai-BRANDにもご期待下さい。




2011年12月28日水曜日

外装工事完了


老朽化していた外壁のコンクリート躯体に、樹脂モルタルで下地をつくり、表面保護に「シポテックス」を塗装しました。
これであと20年は外装に手を加える必要はないでしょう。
この「シポテックス」は、コンクリートの中性化防止だけでなく、大きな遮熱効果が期待できるので、来年の夏は快適に過ごせる予定です。
塗装完了後に、1階部分の張りだし屋根にアルミスパンドレールも設置しました。
これで外装工事は全て完了です
年末に間に合って良かったです。塗装工事を請け負っていただいた三原防水さん、丁寧な仕事をありがとうございました。

sai-BRAND YUKI

2011年12月27日火曜日

藤沢市神台公園デッキ(辻堂駅北口)

JR辻堂駅が再開発で生まれ変わりつつあります。
現在、駅前のテラスモールから続く神台公園で、デッキを設計施工させていただいています。

【ご発注者】藤沢市まちづくり推進部 まちづくりみどり推進課
【元請業者】安藤植木株式会社
【デッキ仕様】リバースウッドデッキシステム沿岸仕様。

事前に現場打ち合わせに行くとすでに元請業者さん(安藤植木様)により立派な土間コンクリートの打設されていました。
導水勾配もきっちり2%と、排水にも全く問題はありません。
しかし、デッキの両脇に打たれているはずのコンクリートがありません。
設計コンサルさんと我々との意思疎通不足が原因となり、とにかく両脇の土を抑えるべき構造がないのです。

これを受け、元請業者さん、発注者とすぐに打ち合わせを行い、弊社の新製品であるリバースウッドAWを幕板兼土留め材として使用することが決まりました。
リバースウッドAWは、石炭灰(フライアッシュ)と樹脂を原料とした合成木材で、再生木材の欠点である"水分による影響”がほとんどない素材です。




工事全体の工程を考えると、この土留めを年内に完了させなければ、元請さんの整地作業を止めてしまうことになり、ご迷惑をおかけしてしまいます。
そこで、下地システムと土留めを年内に先行して施工しました。

前述の辻堂駅前のテラスモールには、デッキやルーバー等にたくさんの再生木材が使用されています。
これだけ近くに比較対象があることもあり、弊社らしい施工を心がけようと、幕板の曲面を「曲げ」によって曲率対応させることにしました。
通常は短い材料で多角形に並べることにより、曲率に対応させるのですが、直職が工事を担当していることもあり、一味違う出来栄えを目指しました。



年内に下地を終えることができたので、来年早々にデッキ材を設置することができます。
先の工程も読めますし、無理してでも年内にここまで進めることができて良かったと思います。
完成が楽しみです。

リバースウッドAWですが、土留めや水中に施工する場合等、天然木材であれば腐り、再生木材であれば吸水し、組織破壊するような箇所には、非常に有効な素材であると言えるでしょう。
再生木材と見た目は同じですが、よりハードな使途や設置環境で使用することができます。
今後、このような用途で積極的な活用を図りたいと考えています。