2008年11月30日日曜日

諫早市こどもの城現場レポート(最終回)

11/28、現場の自主検査へ行きました。
外構のデッキは幕板の取り付けも終え、作業は完了していました。

検査をすると、ビスの打ち忘れが1箇所あったのと、階段の裏面(下から覗くことができる)に、部材番号を記したチョークが残っていたことくらい。

天気予報は「晴れ」でしたが、前夜に降った大雨のため、足場が悪かったことに加え、同行いただいた●洋●業のO氏が雨を持参したため(自称雨男)、隅々に至る検査はできませんでしたが、非常に良い出来と言えるでしょう。

この現場は元請さん、職人さん達にも恵まれ、途中、ちょっとしたトラブルもあったものの、きれいに納まった、良い現場となりました。

後日、取引先に聞いたのですが、この現場には県、市からの見学者が多く訪れており、各方面からご注目をいただいているとのことでした。

1月の竣工検査後、春には開業し、元気な子供たちがここに集うことでしょう。



この自然の中、何を感じ、何を学ぶのだろう。


最後になりましたが、本工事に係わった全ての方々に大変お世話になりました。

常に現場に居られるわけでなく、東京から生意気なことばかりお願いしていたような気がします。

皆様のご努力が、春の開業と共に訪れる元気な子供達の笑顔に報われることをお祈り申し上げます。
またプライベートで訪ねたい場所が増えました。
ありがとうございました。

2008年11月24日月曜日

江戸川区景観まちづくりワークショップ

第1回江戸川区景観まちづくりワークショップに参加してきました。
前日にも沖縄県の北谷町で、地元の設計士の先生方とまちづくりの話をしましたが、今回は我社の「地元」のまちづくりに関するワークショップです。

今回を第1回として、年度内に毎月1回月末の日曜に開催されるそうです。
第1回となった今回は、ワークショップの位置づけ、事務局となられる区役所の職員さん、外注コンサルタントのメンバー紹介があり、参加者を地域ごとに3グループに分け、まちづくりに関する総論を話し合いました。

前日の沖縄のような専門家との検討も大切ですが、今回のような一般区民が参加し、率直な意見を交換できるワークショップは意義がありますね。
私も専門家としてではなく、一区民として参加したのですが、同じ地域に住む者同士が、互いの利害関係を抜きに話し合いができるのですから・・・。

実際の意見交換の場でも、ハードはもとより、ソフトの整備も必要との意見が多かったように感じます。
江戸川区はもともと広大な田園風景が広がっていました。
三方を河川に、南を海に囲まれた平地・・・。
それが江戸川区の地理的な特徴です。
この田園を埋め立てて宅地化された歴史があるため、緑化率は東京23区でトップ。
公園面積も同じく。平均年齢も41歳と同じく23区でトップです。
弊社も江戸川区に拠点を置く際、「都区内一の公園面積」は決め手のひとつとなりました。

これらの統計データを認識するだけでなく、実際の景観を考えてゆくのがこのワークショップの役割です。
専門家としてではなく、一区民として自分達の仕事の役割をみつめることのできるいい機会になればと考えています。

沖縄出張(展示会への出展他)

 
11/22,23に「建設フェアinちゃたん」にブースを出展してきました。
この北谷(ちゃたん)という街は、那覇から北へ20kmほどの距離にあり、アメリカンビレッジを核に、最近、観光客数を増やしている沖縄でも人気の街です。

今から2年前にアメリカンビレッジに隣接する「フィッシャリーナ」のボードウォークの設計・施工をさせていただき、そのご縁で沖縄でもたくさんの仕事をいただけるようになりました。
今回会場に貼ってあった写真パネル「北谷の宝」にそのボードウォークが紹介されていたのを発見した時は本当に嬉しかったです。





2年前に竣工検査を無事終え、安堵している時に、発注者のご担当者様から「ご苦労様でした。このボードウォークは北谷の誇りです」という一言をいただいた時の気持ちにフラッシュバックしました。

そして今後もこのプロジェクトは継続されています。
引き続き誠心誠意取り組んで、利用者の皆様に愛されてゆく施設を造っていきたいと改めて心に誓った次第です。



2008年11月10日月曜日

新型SP種防護柵開発中



某県某市で受注見込みの高いプロジェクトがあります。
確か4~5年前に設計をし、折り込んだ案件です。
公共工事、とりわけ広い公園を建設する土木分野では、計画から実行までこの位の期間がかかるケースも多いのです。
4~5年前と現在では何が違うのか・・・。
まず、折り込んだ本人が独立しています(笑)
一方でこの間に取得した経験から、技術も設計指針も大きく進歩しています。
しかし、鋼材が大幅に値上がっています。
であらば、計画が発注された今、どう対応を取るのか。

「新しい技術を使い、コストを抑えながらも、当時より遥かに良いものを創る」

この新しい技術ですが、ひとりでどんなに頑張っても、そう革新的なことはできません。
そう、重要なのはパートナーシップ。
互いの持ち味を存分に認め合い、新たな領域を目指す。
そんなことを托し、託される企業同士のお付き合いができたら理想的ですね。
まだお付き合いはそれほど長くないのですが、そんな関係になりつつあるメーカーさんと現在、新製品を開発中です。
SP種の防護柵ですが、再生木材とアルミ(または鋼材)を構成したシンプルで機能的な製品です。
sai-BRANDの製品コンセプトは、国内産のリサイクル可能なパーツを、分解、回収しやすい設計で組み上げること。
そしてそれらが将来の資源として再利用できること。
そんな基本理念に同調いただき、互いの製品をブラッシュアップしています。
まだ基本デザインが上がった状況ですが、パートナーと心を込めて製品の開発に当たりたいと考えています。
気持ちよく風が通り、人々が憩う空間ができるといいですね。
FSさん、いいモノを創り出しましょう!



2008年11月4日火曜日

諫早市こどもの城現場レポート

建築工事、外構工事ともに完成が近くなってきました。
この写真は??と思われる方もいらっしゃるでしょうね。
これはリバースウッドを建築物の外壁に使用したのですが、建物の表側が再生木材、裏側がガルバニウム鋼板という仕様になっており、写真はその接線となる壁面です。
「この異質な素材の組み合わせがきれいだな」と感じ、空を見上げて撮影した1枚です。

建物の表側にまわると、このように一面が再生木材の壁となっています。
以前の現場レポートにも記しましたが、ここで使用されている再生木材は、現場に実際に生えていたひのき材を間伐し、乾燥、チップ化したものを原料としています。
文字通り現場の資源を「Re-Birth」した事例です。
この施設を利用する子供たちにも資源について考えてもらえたら・・・と期待するところです。

一方、外構工事の方も順調です。
外構はデッキA、B、Cと3箇所のステージデッキがあるのですが、この写真はデッキB。
建築物から上部の階段で降り、ステージデッキに。そして再び階段を降り林へ。
建物と自然を結ぶ架け橋的な機能を担っています。












デッキB
ここでは少々面白い仕掛けをしています。
写真を見ると、デッキの色が1列ずつ異なって見えませんか?
サッカーや野球をテレビ中継で見ると、グランドが縞々に見えますね。
その仕組みを応用したものですが、具体的な手法は秘密にしておきましょう。
表情に乏しい再生木材に表情を持たせる工夫です。

建築、外構とも、ここまで仕上がってきました。
あとは建築物に付帯するデッキと外構のCデッキです。
次に現場へ行けるのは検査の時でしょうか?
この現場の職人さん達は普段は一般家屋を建築している「大工さん」です。
毎日5~7名の大工さんが施工にあたって下さいましたが、一人ひとりが「考えながら手を動かす」ことのできる優秀な集団でした。
一期一会を大切に、次に彼らと再び仕事をできることを楽しみにしています。

そして心をこめてつくった施設が、諫早市の子供たちの成長の場として愛され、利用されることを願います。