2010年12月21日火曜日

「瓢箪から駒」 考


この物体をご覧になって、この素材をデッキやボードウォークにしたいと思う人は少ないと思います。
10cmくらいの短いサンプルを触ってみると、安っぽく、更に「軽い」という触感により、より安っぽさが強調されてしまいます。







しかし、これをきれいに敷き並べると・・・・


重量感や高級感を感じませんか?
床板の肩に面を取っていないことも幸いし、エッジが立った感覚があり、
さらに、この墨黒の色調が「和モダン」さえ感じさせてしまいます。

そう、これは先週に取りかかったトラックの荷台の改修工事に使用した表面部材なのです。
「個」としては、その魅力を引き出せないのですが、「集団」として一歩引いて見ると、「安っぽい」が「高級感」にガラリとその印象が変わってしまいました。
人間もそうですが、個人としてはパッとしなくても、集団として輝くことって、ありますよね。
例えれば・・・そう、合唱のような。



この製品は、通常の木工機械で加工も可能です。
カンナによる面取り、座堀はもちろんのこと、この材にビス固定もできそうなほどビスの効きも良い。
「軽い」という特性は、様々な分野で、その魅力を発揮しそうです。



私にとっては瓢箪から駒といった感じでしょうか。
思いもかけず、この製品の新たな可能性を発見したような気分です。
我々が手掛ける公共事業をはじめとする外構製品としての実用にあたっては、様々な試験や検証が必要ですので、安易には製品化はできませんが、「面白い素材」という強い印象が残りました。
この部材にとって、条件の悪い設計を行い、弊社の屋上で暴露試験をしてみようと考えています。