2009年4月30日木曜日

鹿児島港連絡橋改修工事 (第1回)

鹿児島港では、北埠頭展望台デッキ(リバースデッキ工法)、ボードウォーク改修工事、人道橋改修工事に続き、今回の連絡橋改修工事がスタートしました。
元請は"心をこめた"人道橋改修工事で既に実績のある松竹建設さん。
現場から送られてきた写真から、今回も心のこもった施工が期待できます。
この写真が4/18時点のものです。
ボードウォークの入口に階段とスロープを設ける工事です。
既設のボードウォークの床板、根太を撤去し、スロープ状に布基礎天端にコンクリートを打ち増しています。


こちらが4/24の状況です。
すでに根太(マリンランバー)が設置されています。
スロープの折れ点もマリンランバーを削り、ポイントを決めているようです。
この折れ点をどこに決めるかが、デッキの美観デザイン上で大切になります。
というのも横(写真奥側)にはレベルのデッキが走っているので、板の割付の変化点にもなるわけです。
また、防護柵の支柱との絡みも出てきます。
デッキの横目地に支柱の芯を持ってくるのがベストなのですが、板割のピッチ(@150mm)と支柱ピッチ(一般的には@2000mm)が異なる場合は、現場で創意工夫する必要があります。
弊社で根太、床板の割付を行った時に、この防護柵は入っていませんでしたので、この写真を見て「あれっ?」と・・・。
しかし、布基礎ピッチ@1800mmの上に乗ってきているので、きっと防護柵の支柱ピッチは1800mmでしょう。
であれば、デッキ材2枚の間に支柱が来る最も加工が少なくきれいた割付が可能なはずです。
このあたりは現場での判断にお任せすることにしましょう。
乞うご期待!

※ゴールデンウィークに入るので、現場は安全養生し、お休みに入っているそうです。
現場ご担当者の方々、ゆっくりとお休みを楽しんで下さいね。

2009年4月25日土曜日

鹿児島港人道橋改修工事 (最終回)

鹿児島港の現場から完成写真が届きました。
正直に、嬉しくなる写真です。

下に私が1月7日に現地を訪れた際に撮影した施工前の写真を掲載しましたが、これが本工事を通し、ここまで生まれ変わりました。
元請業者である㈱松竹建設さんのまさに「地元への愛情」を感じる仕上がりです。
もし民間で同様な改修工事があったとすれば、きっと全てを撤去し、産廃処理してしまったことでしょう。
使える材は財産とし、これを再利用するご発注を行った鹿児島県の方も、まさか元請さんの努力によりここまで美しさを取り戻とは思わなかったのではないでしょうか?
元来、鹿児島は木工の盛んなお国柄ですが、今回は発注者様、元請業者様の愛情を痛感した現場となりました。
【施工前:H21.1.7撮影】
遠景ではどこが痛んでいるのか判らないと思います。
ところが、クローズアップすると下のようにデッキ材(床板)が暴れています。
紫外線でシルバーグレイに変色し、ひび割れがすごく、また、何より根太が腐食し、ビスの保持力が得られず、床板が暴れていました。
この現場もそうでしたが、昔に施工されたボードウォークの腐食のメカニズムはこうです。
①根太が導水勾配に直交し、調整モルタルで高さ調整されている
②デッキの目地から排出される雨水や粉塵がデッキ下に堆積する。
(導水勾配に根太が直交しているので排水が困難となる)
③根太が水分を含んだ塵やゴミで覆われ腐食がはじまる
④腐食した根太は床板を固定するビスを保持できなくなる
⑤床板の反りを抑えきれないビスは保持力を失い、根太から浮き始める

タイトルには鹿児島港人道橋改修工事 (最終回)と書きましたが、実は本工事には「追加工事」が出ています。
今度は少し離れた場所で「連絡橋」の改修です。
他の工区と同じように、根太をマリンランバーに変更するのですが、この連絡橋は、床板にリバースウッドが採用されています。
これだけ現場に愛情を注いで下さる松竹建設さんに施工いただけるのは、メーカーとしても本望です。
松竹建設さん、アリモト工業さん、人道橋はアイガトサゲモシタ!
マダ ミゴデ ケシッ ヂャッドナー。」


2009年4月20日月曜日

鹿児島港人道橋改修工事

鹿児島港の中心部にある延長約30mの人道橋の改修工事を行っています。
弊社は、改修設計と部材の販売を行ったのですが、連携しているアリモト工業さんが現場の進行状況を報告してくれているので、状況が手に取るように把握できます。

本工事は、鹿児島港のデッキと同様に根太が腐食し、床板が暴れていた現況を、下地材を改修することにより元の姿の安全なデッキに戻すというものです。
下地はもちろん弊社のマリンランバー(ガラス長繊維強化プラスチック発泡体)で、専用ビス(とんがり君90)を使用し、既設のイペ材(88*36)を固定するものです。


マリンランバーは材長方向にガラス繊維(体積比の50%)が走り、これをプラスチックで固めているため、無機質な素材ゆえ、このような環境で使用されても「腐る」ことがありません。
また、木材と同様な加工ができることから、この現場では左の写真のように「継手」加工が施されています。
写真の左のマリンランバーは色が濃くなっていますが、これはいわゆる「日焼け」で、長く紫外線下に放置すると飴色に変色してきます。 この飴色がきれいなのですが、これを越すと今度は表面のガラス繊維が剥がれ落ちてきます。そのため、デッキ等の表面材としては使用できないのですが、今回のような根太には最適な素材です。


この現場で嬉しいことがありました。
元請さんが自ら施工されているのですが、写真のように紫外線で劣化し、灰色に変色した床材の表面を削ってくれています。
写真のように元の「赤い」色が出ています。
この作業は積算には入っていません。
元請さんの創意工夫で取り組まれている作業です。
「地元の業者が地元のためにできること」。
手間と愛情をかけて取り組まれている元請さんと仕事ができ、メーカーとしても大切な仕事とすることができました。
今回改修された橋が、永らく地元の人々に愛されますように・・・・




2009年4月19日日曜日

弊社事例がケンプラッツ 建築・住宅に紹介されました


2009/3/25
「再生木材を外壁に用いたこどもの城が完成」

記事は下記URLをご参照下さい。
(諫早市様より掲載許可をいただいております)

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20090323/531432/

2009年4月17日金曜日

平成21年度sai-BRAND所信表明

平成21年度がスタートしました。
年度末が終わるとホッとするのが毎年の慣わしですが、
今年は平成20年度の繰り越し発注等が多々あり、
まだまだホッとできる日は先のようです。

とはいえ、世間は新年度ゆえ、様々な事柄が動き始めています。
弊社にも新人が入社し、事務所内の雰囲気が活気づいています。


そこでsai-BRANDの平成21年度の所信表明です。

1.外構施設の改修提案を積極的に展開します。

2.リバースウッドデッキシステムのオプションプロダクツを開発します。

3.ソーラーエネルギー製品の販売を開始します。

4.戸建て住宅分野へ進出します。

5.何より楽しみながら仕事をします。

得意分野へ経営資源を集中させることは言うまでもありませんが、
新たな分野へ挑戦しなければ未来は開かれません。
ソーラーエネルギー製品の開発、販売はかねてからのテーマのひとつでした。
また、リサイクルという概念は既に一般化したという認識から、
弊社の「リバース」(=Re-Birth)というコンセプトを一般家庭にも普及すべく、
遅ればせながら戸建て分野へ進出します。


コンセプトはシンプルなものがいい。
21年度もお客様からの「いいモノができた」の一言を楽しみに全力疾走します。





2009年4月5日日曜日

鹿児島港ボードウォーク改修工事
























鹿児島港に広大なボードウォークがあります。
港沿いに素晴らしい景観が広がっています。

靴で歩くと「コツコツ」といかにもボードウォークの歩行感が心地よく、春の海辺に心地よく響きます。
ところがこのボードウォーク、表面の床材は10年経った今でも元気なのですが、下地の根太材が腐食し、ビスを保持することができず、床材(デッキ材)が暴れてきているのです。
デッキ材はブラジル産のイペ、根太はインドネシア産のパープルハートという材料。
10年ほど前は公共事業のデッキ全盛期で、どの材種も不足していました。
なので、構造材として見えない「根太」材には安価で品質のあまり良くない材料が出回っていたようです。
本来であれば下地材にしっかりした材を使い、化粧材を定期的に交換した方がトータルコストを抑えることができるのですが、そうはいかない判断があったのでしょう。
今でも他社の設計を見ていると、それを感じる事例が多いように思われます。
そこでデッキの改修を行っている弊社の製品、技術に関心を持っていただきました。
写真の左が未改修、右が改修したものです。
デッキ材を既設のものを再利用しているので、「何が変わったの?」と思われがちですが、良く見るとビスの形状が違いますよね。
下地の根太材にマリンランバー□100*100を使用したため、これで下地は半永久的に構造材として機能します。
今後、床板が本来の寿命をまっとうし、改修を検討する際は、それを原料にリバースウッドを製造し、現地へ戻す提案を行っています。
その際、今回改修した根太、ビスは、床板を改修する際も再利用することができます。


このような息の長い仕事を手掛ける弊社ですので、「廃棄物を出さないモノづくり」という技術、製品をご理解いただいた今回の事例は、目立たない仕事ですが、非常に価値の高い仕事となったと自負しております。
発注者の鹿児島県様、営業、工事に係わって下さった皆様に感謝致します。
写真右が今回あらたに開発したビス
M6×90(SUS-XM7)

写真左から(弊社デッキシステム専用ビス)
どりどり君(M6×45:SUS410:金属根太用)
とんがり君55(M5×55:SUS-XM7:ハードウッド用)
とんがり君63(M5×63:SUS-XM7:マリンランバー□70用)
とんがり君90(M6×90:SUS-XM7:MVJI改修用)