2010年3月31日水曜日

【福井県敦賀港】8 ~竣工検査~

工事名:(県単)金ヶ崎緑地ボードウォーク改修工事
発注者:福井県土木部嶺南振興局敦賀港湾事務所様


昨年10月より、6回にわたり本工事の内容をお伝えさせていただいてきましたが、3月25日に無事に竣工検査を終えることができました。
国内では初めてとなる既設木材のスクラップ控除、それを原料とした再生木材の製造等、発注者のご意向により、環境の世紀に相応しい取り組みをすることができ、サポートさせていただいたメーカーとして、非常に有意義な成果を残すことができました。

検査の際に、発注者様より「いいモノができた」と、ご満足をいただいたお言葉をいただきました。
思い返せば、まだ歴史の短い再生木材をご検討いただくにあたり、膨大な資料のやりとりをしました。
実際に製造工場の現場を視察いただいたり、過去の事例を見ていただいたり、細かい構造の検討・計算を行ったりを繰り返し、仮定が計画となり、そしてそれが具現化し、この現場に結実しました。


このボードウォークは、現場の曲率に対応するだけでなく、床面に陸から海へかけての勾配がついていますので、3次元での施工が必要となりました。
これに加え、冬季の施工のため、積雪により、思う通りの工程で作業が進まなかったと報告を受けています。
検査の当日は、生憎の小雨模様でしたが、発注者さん、元請さんによる検査はつつがなく終わり、無事に工期内に引き渡しをすることができ、ホッと胸を撫で下ろすことができました。

工事が完了し、再び地元の福井県民、敦賀市民の方々、それに観光客の方々に供用いただくことができます。
敦賀港の港の風景として、長く長く愛され続ける施設であってほしいと願うばかりです。

最後になりましたが、本工事に関わられた全ての方々にお礼を申し上げます。
ありがとうございました。


2010年3月20日土曜日

西新井駅西口再開発(円形デッキ) その3


西新井駅西口再開発ビルの円形デッキの工事が完了しました。
これを機に、もう少し地元東京を中心に、関東の仕事も増やしていくことにします。
sai-BRANDの柱となる業務は、劣化したボードウォークの診断と改修なので、 湿度の高い九州や沖縄の仕事が大半だったのですが、 「改修にノウハウがあるのであれば、新設時から頼もう」というお客様が増えてきていますので、 このような需要にも対応していく必要が出てきました。

さて、現場に戻ります。
樹木枠です。樹木を引き立たせるために、枠のほぼ中央に樹木が来るように、デッキ材の割付を計算し、同時にデッキを切り欠かず、ごく自然な見栄えとなるように工夫しています。
ここは、土壌が入るために、植栽ピットが設けられていることから、下地は大引+根太の仕様としています。

現場の終わりには、必ず何枚かの板を外し、デッキ下をきれいに清掃します。
どうしても、ビスを揉む時にデッキ材や根太材の切りかすが下に落ちてしまうので、これをブロアーで飛ばし、掃除機で吸い取る清掃を行う必要があるのです。
この業務を怠ると、排水ドレンに切りかすが詰まってしまい、適切な排水ができず、デッキ下が湿潤状態となり、その結果、デッキに不具合が発生してしまうのです。
昔から、「掃除がきちんとできない建設会社には現場を仕切る資格がない」と教わってきました。
自分たちで手掛けた現場は、最高の状態で引き渡したいと思うのは当然のことですよね。

最期になりましたが、元請の西松建設様、お世話になりました。
協力業者の方々、安全、正確な仕事をありがとうございました。

2010年3月17日水曜日

西新井駅西口再開発(円形デッキ) その2


商業施設のエントランスにある直径約9mのデッキを施工中です。
本日は、作業3日目となりますが、元請業者様より、「検査の関係で3日間で終わらせてほしい」との要望を受け、増員対応し、本日は6名で工事にあたっています。


本工事のポイントは、デッキ全体の割付の中で、植栽桝をいかに美しくレイアウトする。
デッキ材の幅加工をせず、桝を形成するためには、墨出を行う際から、きっちりと根太位置を決定する必要があります。
こうすることにより、材に変に加工を行う必要がなく、見た目も「自然に」「違和感がなく」仕上がります。
「現場合わせではなく、あらかじめ計算し、施工をする」。
当たり前のことですが、いくら良い設計をしても、実際に施工をする職人さんにきっちりと伝達されなければ何の意味もありません。


そこで大切な仕事をするのが「職長」です。
元請さんとの連絡や、設計の意図を“明確に””確実に”現場に伝え、正確な作業を行うのが職長の役割です。
この現場の職長は弊社の若いスタッフです。
年上の職人さんへ何をどう伝えるか。
その答えは、完成したした現場にあるのです。

大詰めのラストスパート。
安全に、正確に仕事を進めよう。

2010年3月16日火曜日

西新井駅西口再開発(円形デッキ)

気がつくと、これまで、あまり関東での施工事例を紹介していませんでした。
sai-BRANDは、エクステリアメーカーでもありますが、自社の製品を自社で施工をする工事会社でもあります。

今回は、現在施工中の東京都足立区で進んでいる「西新井駅前再開発」の現場を紹介します。
ここで、直径約9mの円形デッキを施工しています。
製品は、リバースウッドデッキシステム標準仕様。
一部、植栽ピットの上部にマリンランバーを使用する予定です。
下の写真は、墨出後に支持脚を設置している風景です。


深さ30~40mm程度で、基礎コンクリートに削孔を行い、二液性のエポキシ樹脂系接着材を充填し、支持脚(M12ボルト)を打ち込みます。

植栽ピットの開口は、デッキ材の割り付けに合わせ、1050mmとし、それを支えるための下部構造を設置しています。

円形の外周は、細かい合わせ部材が数多く発生するために、円周に合わせ、際根太もしっかり角度切断を行いました。

今回は普段、鉄骨を扱っているメンバーが揃ったので、下地組はあっという間に完了しました。
削孔し、設置した支持脚のエポキシボンドの硬化が間に合わないくらいのスピードです。
100㎡以下の施工を行う場合は、ボンドの硬化時間が手待ちとなるため、グリップアンカーやオールアンカー等のアンカー固定をお勧めします。


今日はすでにデッキの貼り込みに入っています。
明後日には、施設の検査があるそうなので、明日には完成させる予定です。





2010年3月10日水曜日

新製品開発中(マルチユースキャップ)

よくデッキの劣化診断を行いますが、過去に施工されたボードウォークの根太は、一般的に、天面を座堀りして、ボルトを挿入し、基礎と固定しています。
施工面では非常に効率が良いのですが、天面に空いた座堀穴に水やゴミが溜まり、そこから根太が給水し、腐食の原因となっているケースが多く見られます。

根太は、床板に隠れてしまう構造部材のため、材料選定の際に軽視されがちですが、根太こそ、きっちりとした材料を選定しなければ、構造物全体の改修が早まる(寿命が縮まる)という傾向があります。
昨年に劣化診断を行った福井県敦賀港の現場では、使用されているパイン材根太の座堀箇所に、すべてとコーキングがされていました。
天然木のボードウォークですが、メーカーさんの施工基準がきっちりとしていたお陰で、この根太は再利用できるという診断をすることができました。
一方、神奈川県の某ヵ所で診断した現場では、イペという日本国内でも最も実績のあるハードウッド材を使用しながらも、同じ原因で、このような状況となっています。

いかに根太が大事がお分かりになったのではないでしょうか?
そこで、saiBRANDでは、このような状況に対応するために、新製品の開発を進めています。
写真のような、ゴム製のキャップです。


φ30mm(外径φ40mm)、H15mmの大きさですが、蓋の厚みを1mmに抑えることにより、座堀の蓋に使用しても、根太上に貼ったデッキの浮陸を感じることはありません。
素材は、自動車の外装部材に使用される対候性の高いEPDMを選択しました。
また、内径φ30mmという大きさで開発したのは、別の用途も計画しているからです。

このように、φ40mmの手すり材のエンドキャップにも使用することができます。

このような、支柱加工部の蓋としても使用することができます。


そして、内側をこのようなM12ボルトの六角形状にすることにより、自動販売機の脚のような支持脚ボルトカバーとしても使用することができます。

ひとつ製品を開発するとしたら、マルチユースとして使用できるよう、多様な途用途を考えることにより、無駄なモノづくりをしなくていくのがsai-BRANDの製品開発方針です。

本製品は本日試作品が出来上がったきたので、これから最終形状を決定し、4月1日受注分から生産を開始する予定です。