2009年4月25日土曜日

鹿児島港人道橋改修工事 (最終回)

鹿児島港の現場から完成写真が届きました。
正直に、嬉しくなる写真です。

下に私が1月7日に現地を訪れた際に撮影した施工前の写真を掲載しましたが、これが本工事を通し、ここまで生まれ変わりました。
元請業者である㈱松竹建設さんのまさに「地元への愛情」を感じる仕上がりです。
もし民間で同様な改修工事があったとすれば、きっと全てを撤去し、産廃処理してしまったことでしょう。
使える材は財産とし、これを再利用するご発注を行った鹿児島県の方も、まさか元請さんの努力によりここまで美しさを取り戻とは思わなかったのではないでしょうか?
元来、鹿児島は木工の盛んなお国柄ですが、今回は発注者様、元請業者様の愛情を痛感した現場となりました。
【施工前:H21.1.7撮影】
遠景ではどこが痛んでいるのか判らないと思います。
ところが、クローズアップすると下のようにデッキ材(床板)が暴れています。
紫外線でシルバーグレイに変色し、ひび割れがすごく、また、何より根太が腐食し、ビスの保持力が得られず、床板が暴れていました。
この現場もそうでしたが、昔に施工されたボードウォークの腐食のメカニズムはこうです。
①根太が導水勾配に直交し、調整モルタルで高さ調整されている
②デッキの目地から排出される雨水や粉塵がデッキ下に堆積する。
(導水勾配に根太が直交しているので排水が困難となる)
③根太が水分を含んだ塵やゴミで覆われ腐食がはじまる
④腐食した根太は床板を固定するビスを保持できなくなる
⑤床板の反りを抑えきれないビスは保持力を失い、根太から浮き始める

タイトルには鹿児島港人道橋改修工事 (最終回)と書きましたが、実は本工事には「追加工事」が出ています。
今度は少し離れた場所で「連絡橋」の改修です。
他の工区と同じように、根太をマリンランバーに変更するのですが、この連絡橋は、床板にリバースウッドが採用されています。
これだけ現場に愛情を注いで下さる松竹建設さんに施工いただけるのは、メーカーとしても本望です。
松竹建設さん、アリモト工業さん、人道橋はアイガトサゲモシタ!
マダ ミゴデ ケシッ ヂャッドナー。」