2012年4月9日月曜日

秋葉原UDXビル外構デッキ改修工事(2)

いよいよ秋葉原駅前でのデッキ改修工事がスタートしました。
今回は、秋葉原駅前という立地であり、このデッキ上で毎週末イベントが開催されるという利用状況を考慮し、再生木材ではなく、既設のデッキ材の再加工、すなわちリユースを提案させていただきました。
もちろん劣化原因であった、下地構造である根太材は一新します。

床板は初期のハードウッドの代名詞であるオーストラリア産のジャラです。
今回の工事では、床板を再加工し、同じ場所へ戻すために、板材の1本1本にナンバリングを行いました。
計29×5パターンで145枚のデッキ材にナンバリングしたことになります。



次にデッキを固定しているビスの取り外し作業です。
ビスの材質はSUS304で、ネジ径はφ5mm。
これは一般的な木ネジなので、板材の反りをはじめとする「動き」に追随できず、折れている箇所が多く見受けられました。


弊社の劣化診断の結果、床板は設置後7年を経過しているにも関わらず、全く問題がない状態でした。
しかし、床板を支える根太材が腐食し、ビスの保持力を無くし、床板が暴れたというのが弊社の見解でした。
劣化原因を施主様にお伝えし、まだまだ使用に耐えうる床板を廃棄してしまうには惜しく、期待寿命が全うできるよう劣化因子を排除、改善する提案をさせていただいたところ、「それができるなら是非そうしたい」とご決断をいただきました。
主役である建物と同じ時間を過ごし、エイジングして行くのが天然木材の大きな魅力です。
これをご理解いただけたことを素直に嬉しく思いました。


さて、撤去した床板を加工するために、チャーターしたトラックに積み込みます。
運送は弊社の物流をいつもお手伝いしていただいている江戸川の彦新運輸さんです。
余談ですが、この車輌の荷台には、弊社のTCDS(トラック・カーゴデッキシステム)が採用されています。

私も新幹線で加工場のある静岡へ移動し、今回の表面加工の工程を確認してくることにします。