2011年3月12日土曜日

市場保育園外構工事

昨日の大きな地震の余波が残る中、予定していた市場保育園(神奈川県横浜市鶴見区)の外構工事を実施しました。
前日は、交通機関が全面的に不通で、お子さんを園に迎えに来られない父兄がいらっしゃったため、園長先生は保育園にお泊りになられておられました。
朝一番に工事実施の可否をメール(電話は通じない)で確認したところ、「園は大丈夫ですが、無理をなさらないで下さい」とのコメントを頂きましたが、即、実施を決定し、現場にGOをかけました。

地震後だったため、気を遣い、工事を止めることを考えていましたが、卒園式を間近に控えた保育園のこども達や父兄に、きれいになった園庭を思い出として持って卒園してもらいたかったので、半ば強引にGOをかけました。


上の写真は、以前に撮影した施工前のものです。
ここにシンボルツリーとなるヤマボウシと今、巷で流行している常緑のシマトネリコ、ソヨゴを植樹しました。
また、これを機に、遊具を2台と物置2基を移設し、園庭のリニューアルを行いました。


そしてこれが本日の成果です。
園長の誇らしげな背中が全てを物語ってくれています。
園舎が、植物と取り合うことによって、有機的な補完関係となり、表情が変わりました。
特に、このシンボルツリーとなったヤマボウシは珍しいもので、普通のヤマボウシは、株立ちといって、地面から複数の株(幹)が立ち上がるものが多いのですが、これは単木として立派な樹形をしています。
山へ樹木を選定に行った時に、園長と一緒に、思わず目惚れした木でした。
この木達が、子供たちとともに、ゆっくり成長して行くのです。
公園に植える樹木と違い、子供たちの成長とかぶるため、私達、請負業者としても感慨がひとしおです。
新芽をつけ、若葉となり、花が咲き、葉が落ちる。
植物としては当たり前のことですが、現代の子供たちにも、こういった自然の“当たり前の出来ごと”から何かを感じ取ってほしいと感じました。
折しも昨日の大震災の翌日、植物を通じて「いのち」を感じることのできた現場でした。

弊社の経営理念である「資源でありつづけるモノづくり」も、自然の輪廻にはかないません。
しかし、こういう経験を通じて、モノとは何か、いのちとは何かを感じ、今後に活かすことのできる職に就いていることは幸せなんだなと感じる次第です。