2009年5月25日月曜日

西之表港デッキ改修工事(鹿児島県種子島)















5/21~22で種子島西之表港に施工指導に行ってきました。
今回の改修対象は、パープルハート材で8年前に施工されたボードウォークです。

パープルハート材の概要は以下の通り。
南米(ブラジル・ボリビアなど) ・アメリカでは violet wood と呼ばれている。

【特徴】
・心材は製材して間もない頃はくすんだ褐色または灰褐色。光に当てると、紫褐色または紫色になる。→この性質がパープルハートの名前の由来。
・辺材は白色または灰色に紫の縞がある。
・材は非常に重く、堅い。耐久性は高く、菌や虫への抵抗性がある。
・加工は特別困難ではない。強い金属刃での鋸引、カンナ削りも可能。
・仕上は良好で、良いつやが出る。


【保存性】
・耐久性、弾力性、保存性は良く、ヒラタキクイムシ・白蟻に対する耐性も極めて良いが、免疫ではない。
以上のような特徴を持ち、イペ、ジャラといったハードウッドより安価であることから10年ほど前に随分流通した材料です。
しかし、先日改修した鹿児島港BW(ボードウォーク)の根太もパープルハートが使用されており、また、ここ西之表でも白蟻に駆逐されている現状を考えると、上記の記載は「???」となります。
原産国では存在しない菌や害虫が日本に存在したりするため、学術情報からでは判断できないことが多いということが判りますね。

上に現地の写真を掲載しましたが、当時の施工はきっちり丁寧に行われていますが、劣化状況が半端ではありません。
表面は黒く変色し、トゲ、ささくれがひどく、とても素足で歩ける状況ではありません。
ここをリバースウッドデッキシステム沿岸仕様で改修するのが今回の工事です。














既設材を撤去したスラブ面にSUS304製の支持脚を設置し、レベルを取ります。
今回は、既設デッキ(今後改修予定)の高さに合わせています。
元請さんは㈲牧電設さんと㈲園田建設さん。
曲率のついたボードウォークを4mスパンでR対応させる施工ですが、私が現場に入った時には既に墨出しが完了しており、「いつでもスタートOK!」の体制が整っていました。
1日半の現場指導でしたが、Rに対応する細かい取り合い以外は口を出す必要もなく、荷運びや削孔補助などのいわゆる「手元」仕事をしていた時間が多かったかな・・・
今回のデッキ材はサンディーブラウン。全面の砂浜の色彩に良く似合います。
完成写真が楽しみな現場です。