2010年3月10日水曜日

新製品開発中(マルチユースキャップ)

よくデッキの劣化診断を行いますが、過去に施工されたボードウォークの根太は、一般的に、天面を座堀りして、ボルトを挿入し、基礎と固定しています。
施工面では非常に効率が良いのですが、天面に空いた座堀穴に水やゴミが溜まり、そこから根太が給水し、腐食の原因となっているケースが多く見られます。

根太は、床板に隠れてしまう構造部材のため、材料選定の際に軽視されがちですが、根太こそ、きっちりとした材料を選定しなければ、構造物全体の改修が早まる(寿命が縮まる)という傾向があります。
昨年に劣化診断を行った福井県敦賀港の現場では、使用されているパイン材根太の座堀箇所に、すべてとコーキングがされていました。
天然木のボードウォークですが、メーカーさんの施工基準がきっちりとしていたお陰で、この根太は再利用できるという診断をすることができました。
一方、神奈川県の某ヵ所で診断した現場では、イペという日本国内でも最も実績のあるハードウッド材を使用しながらも、同じ原因で、このような状況となっています。

いかに根太が大事がお分かりになったのではないでしょうか?
そこで、saiBRANDでは、このような状況に対応するために、新製品の開発を進めています。
写真のような、ゴム製のキャップです。


φ30mm(外径φ40mm)、H15mmの大きさですが、蓋の厚みを1mmに抑えることにより、座堀の蓋に使用しても、根太上に貼ったデッキの浮陸を感じることはありません。
素材は、自動車の外装部材に使用される対候性の高いEPDMを選択しました。
また、内径φ30mmという大きさで開発したのは、別の用途も計画しているからです。

このように、φ40mmの手すり材のエンドキャップにも使用することができます。

このような、支柱加工部の蓋としても使用することができます。


そして、内側をこのようなM12ボルトの六角形状にすることにより、自動販売機の脚のような支持脚ボルトカバーとしても使用することができます。

ひとつ製品を開発するとしたら、マルチユースとして使用できるよう、多様な途用途を考えることにより、無駄なモノづくりをしなくていくのがsai-BRANDの製品開発方針です。

本製品は本日試作品が出来上がったきたので、これから最終形状を決定し、4月1日受注分から生産を開始する予定です。