2008年11月30日日曜日

諫早市こどもの城現場レポート(最終回)

11/28、現場の自主検査へ行きました。
外構のデッキは幕板の取り付けも終え、作業は完了していました。

検査をすると、ビスの打ち忘れが1箇所あったのと、階段の裏面(下から覗くことができる)に、部材番号を記したチョークが残っていたことくらい。

天気予報は「晴れ」でしたが、前夜に降った大雨のため、足場が悪かったことに加え、同行いただいた●洋●業のO氏が雨を持参したため(自称雨男)、隅々に至る検査はできませんでしたが、非常に良い出来と言えるでしょう。

この現場は元請さん、職人さん達にも恵まれ、途中、ちょっとしたトラブルもあったものの、きれいに納まった、良い現場となりました。

後日、取引先に聞いたのですが、この現場には県、市からの見学者が多く訪れており、各方面からご注目をいただいているとのことでした。

1月の竣工検査後、春には開業し、元気な子供たちがここに集うことでしょう。



この自然の中、何を感じ、何を学ぶのだろう。


最後になりましたが、本工事に係わった全ての方々に大変お世話になりました。

常に現場に居られるわけでなく、東京から生意気なことばかりお願いしていたような気がします。

皆様のご努力が、春の開業と共に訪れる元気な子供達の笑顔に報われることをお祈り申し上げます。
またプライベートで訪ねたい場所が増えました。
ありがとうございました。

2008年11月24日月曜日

江戸川区景観まちづくりワークショップ

第1回江戸川区景観まちづくりワークショップに参加してきました。
前日にも沖縄県の北谷町で、地元の設計士の先生方とまちづくりの話をしましたが、今回は我社の「地元」のまちづくりに関するワークショップです。

今回を第1回として、年度内に毎月1回月末の日曜に開催されるそうです。
第1回となった今回は、ワークショップの位置づけ、事務局となられる区役所の職員さん、外注コンサルタントのメンバー紹介があり、参加者を地域ごとに3グループに分け、まちづくりに関する総論を話し合いました。

前日の沖縄のような専門家との検討も大切ですが、今回のような一般区民が参加し、率直な意見を交換できるワークショップは意義がありますね。
私も専門家としてではなく、一区民として参加したのですが、同じ地域に住む者同士が、互いの利害関係を抜きに話し合いができるのですから・・・。

実際の意見交換の場でも、ハードはもとより、ソフトの整備も必要との意見が多かったように感じます。
江戸川区はもともと広大な田園風景が広がっていました。
三方を河川に、南を海に囲まれた平地・・・。
それが江戸川区の地理的な特徴です。
この田園を埋め立てて宅地化された歴史があるため、緑化率は東京23区でトップ。
公園面積も同じく。平均年齢も41歳と同じく23区でトップです。
弊社も江戸川区に拠点を置く際、「都区内一の公園面積」は決め手のひとつとなりました。

これらの統計データを認識するだけでなく、実際の景観を考えてゆくのがこのワークショップの役割です。
専門家としてではなく、一区民として自分達の仕事の役割をみつめることのできるいい機会になればと考えています。

沖縄出張(展示会への出展他)

 
11/22,23に「建設フェアinちゃたん」にブースを出展してきました。
この北谷(ちゃたん)という街は、那覇から北へ20kmほどの距離にあり、アメリカンビレッジを核に、最近、観光客数を増やしている沖縄でも人気の街です。

今から2年前にアメリカンビレッジに隣接する「フィッシャリーナ」のボードウォークの設計・施工をさせていただき、そのご縁で沖縄でもたくさんの仕事をいただけるようになりました。
今回会場に貼ってあった写真パネル「北谷の宝」にそのボードウォークが紹介されていたのを発見した時は本当に嬉しかったです。





2年前に竣工検査を無事終え、安堵している時に、発注者のご担当者様から「ご苦労様でした。このボードウォークは北谷の誇りです」という一言をいただいた時の気持ちにフラッシュバックしました。

そして今後もこのプロジェクトは継続されています。
引き続き誠心誠意取り組んで、利用者の皆様に愛されてゆく施設を造っていきたいと改めて心に誓った次第です。



了

2008年11月10日月曜日

新型SP種防護柵開発中



某県某市で受注見込みの高いプロジェクトがあります。
確か4~5年前に設計をし、折り込んだ案件です。
公共工事、とりわけ広い公園を建設する土木分野では、計画から実行までこの位の期間がかかるケースも多いのです。
4~5年前と現在では何が違うのか・・・。
まず、折り込んだ本人が独立しています(笑)
一方でこの間に取得した経験から、技術も設計指針も大きく進歩しています。
しかし、鋼材が大幅に値上がっています。
であらば、計画が発注された今、どう対応を取るのか。

「新しい技術を使い、コストを抑えながらも、当時より遥かに良いものを創る」

この新しい技術ですが、ひとりでどんなに頑張っても、そう革新的なことはできません。
そう、重要なのはパートナーシップ。
互いの持ち味を存分に認め合い、新たな領域を目指す。
そんなことを托し、託される企業同士のお付き合いができたら理想的ですね。
まだお付き合いはそれほど長くないのですが、そんな関係になりつつあるメーカーさんと現在、新製品を開発中です。
SP種の防護柵ですが、再生木材とアルミ(または鋼材)を構成したシンプルで機能的な製品です。
sai-BRANDの製品コンセプトは、国内産のリサイクル可能なパーツを、分解、回収しやすい設計で組み上げること。
そしてそれらが将来の資源として再利用できること。
そんな基本理念に同調いただき、互いの製品をブラッシュアップしています。
まだ基本デザインが上がった状況ですが、パートナーと心を込めて製品の開発に当たりたいと考えています。
気持ちよく風が通り、人々が憩う空間ができるといいですね。
FSさん、いいモノを創り出しましょう!



了

2008年11月4日火曜日

諫早市こどもの城現場レポート

建築工事、外構工事ともに完成が近くなってきました。
この写真は??と思われる方もいらっしゃるでしょうね。
これはリバースウッドを建築物の外壁に使用したのですが、建物の表側が再生木材、裏側がガルバニウム鋼板という仕様になっており、写真はその接線となる壁面です。
「この異質な素材の組み合わせがきれいだな」と感じ、空を見上げて撮影した1枚です。

建物の表側にまわると、このように一面が再生木材の壁となっています。
以前の現場レポートにも記しましたが、ここで使用されている再生木材は、現場に実際に生えていたひのき材を間伐し、乾燥、チップ化したものを原料としています。
文字通り現場の資源を「Re-Birth」した事例です。
この施設を利用する子供たちにも資源について考えてもらえたら・・・と期待するところです。

一方、外構工事の方も順調です。
外構はデッキA、B、Cと3箇所のステージデッキがあるのですが、この写真はデッキB。
建築物から上部の階段で降り、ステージデッキに。そして再び階段を降り林へ。
建物と自然を結ぶ架け橋的な機能を担っています。












デッキB
ここでは少々面白い仕掛けをしています。
写真を見ると、デッキの色が1列ずつ異なって見えませんか?
サッカーや野球をテレビ中継で見ると、グランドが縞々に見えますね。
その仕組みを応用したものですが、具体的な手法は秘密にしておきましょう。
表情に乏しい再生木材に表情を持たせる工夫です。

建築、外構とも、ここまで仕上がってきました。
あとは建築物に付帯するデッキと外構のCデッキです。
次に現場へ行けるのは検査の時でしょうか?
この現場の職人さん達は普段は一般家屋を建築している「大工さん」です。
毎日5~7名の大工さんが施工にあたって下さいましたが、一人ひとりが「考えながら手を動かす」ことのできる優秀な集団でした。
一期一会を大切に、次に彼らと再び仕事をできることを楽しみにしています。

そして心をこめてつくった施設が、諫早市の子供たちの成長の場として愛され、利用されることを願います。


了

2008年10月30日木曜日

ノエルの倒産に想う

諫早の現場にいる私に取引先からノエルが破産手続き開始の申し立てを行ったと携帯に連絡が入った。
私の幼馴染が取締役をしているからだ。
ウェブを見ると負債総額は414 億円(概算 平成20 年10 月30 日現在)という。
同社は最近、東証二部に上場したばかりだ。
上場には様々な審査があるが、それをクリアしたのはつい最近のこと。
首都圏を中心に幅広く不動産事業を展開していたが、昨今の一連の倒産劇と同様の結末だ。
金融機関や東証は、同社のビジネスモデルを認め、融資をし、上場を認めたのではなかったのか。
内部事情は知る由もないが、複雑化した仕入や商品、会計制度、更には日本の実需には無縁のサブプライムローン問題等、「お客様へ快適な住まいを提供する仕事」があまりにも複雑化しすぎたのではないだろうか。

ただ、民事再生や更生法の申請ではなく、破産手続きの開始を申し立てたことが心配だ。

そんな考察と、幼馴染の彼を想う気持ちは、自分の心の中で同じの位置におけるはずがない。Yよ、今は経営者として、いや人間として今までに経験もしたことのないほどのものを抱えているだろう。人として精一杯の対応をして、難局に背を向けず、蓋をすることなく前に進むしかないと思う。友人として何かできればと思うが、きっと彼なら前に進んでくれると信じている。


=帝国データバンク ニュースより転載=
TDB企業コード:200834071「神奈川・東京」 
東証2部上場で総合不動産業の(株)ノエル(資本金 22億6879万4466円、川崎市高津区二子5-1-1、代表金古政利氏、従業員283名)と(株)ENR(資本金5777万5000円、港区虎ノ門1-4-3、代表奥村秀哉氏ほか1名、従業員16名)の2社は、10月30日に東京地裁へ自己破産を申請し、破産手続き開始決定を受けた。 
申請代理人は渡邊顯弁護士(港区虎ノ門4-3-1、電話03-5405-4080)。 
ノエルは、1969年(昭和44年)9月創業、72年(昭和47年)2月に法人改組した中堅デベロッパーで2007年8月に東証2部へ上場を果たしていた。
東急田園都市線中心に「グランノエル」シリーズのマンション分譲や用地売買を主体に運営、そのほか建売、仲介・管理も手がけ、近年はマンション用地の需要が旺盛であったほか、投資用賃貸マンションや商業施設など不動産ファンド向けの開発物件が好調で年々業績を伸ばし、2007年8月期には年売上高約777億9200万円をあげていた。 
しかし、改正建築基準法による建築確認の遅延、分譲住宅価格上昇に伴う顧客の買い控えに加え、サブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱等、不動産業界を取り巻く急激な変化で、2008年8月期の年売上高は約653億円にまで落ち込み、売買契約の解除等に伴う費用などで最終損益は約54億3000万円の欠損に転落する見通しを発表。
ここ数年は、拡大路線を推し進めてきたことで資金需要は旺盛で、これらを金融機関からの借り入れに依存してきたため、不動産市況の悪化が経営を圧迫。
販売用不動産の販売促進による棚卸資産の圧縮や経営効率化を目指すとともに、資本提携先を模索してきたが実現に至らず、保有物件売却計画の大幅な遅れや借入金の返済遅延、その他未払いの発生など資金繰りはひっ迫し、今回の措置となった。 
ENRは2004年(平成16年)4月に設立した不動産会社。
都心の高級住宅に特化したプロパティマネジメント事業や賃貸・売買仲介を行い、2007年8月期には約9億8000万円の年売上高を計上していたが、ノエルに連鎖する形となった。 
負債は、ノエルが約414億円、ENRが約3億円で2社合計で約417億円。

2008年10月23日木曜日

諫早市こどもの城現場レポート9

出張で福岡を訪れたので、足を伸ばし20日ぶりに諫早の現場を訪ねました。

建築、土木工事ともこの20日の間、天気にも恵まれ順調な進捗です。左の写真は建築工事で、建物の壁面にリバースウッドが使用されています。
1,000㎡に及ぶ壁面なのですが、ここに使用されているリバースウッドの原料は、以前、この地に林立していた杉材です。
通常は、廃棄処分されてしまうものを原料とさせていただきました。
もちろん、普通の製品を製造するのと比較し、時間もコストもかかるのですが、「こどもの城」という文教施設ゆえ、資源の大切さを伝えるべく、再資源化の提案をさせていただきました。
発注者の諫早市ご担当者様も非常に前向きにお取り組みいただき、このような姿として提案が結実しました。
写真手前にコンクリート面が見えますが、11月にはここに水路とデッキも出来上がる予定です。

一方、外構工事も半ばに差し掛かり、階段を除く平面部のデッキはほぼ完了しました。
あずまやの屋根も仕上がり、職人さん達の昼の休憩所となっています。
この現場の職人さんはほとんどが一般家屋の大工さんなので、腕がいい。
東京でPCに向かって図面をひくのも大切な仕事ですが、現場に出て職人さんとコミニュケーションを取り、図面通りに、確実にきれいに納まるよう意見交換をする時間も大切です。
そんな時間が、次なる良いモノを創造する貴重なノウハウに繋がることが多々あります。
良い製品、良い設計、良い施工とどれひとつ欠けても良いモノはできあがりません。
現場の大工さんから製品の製造スタッフまで、モノづくりに係わる全ての人々がきれいに連携できる事業環境を構築して行きたいものです。

2008年10月18日土曜日

風をよむ

久しぶりにセーリングを楽しみました。
学生時代の仲間と月々数千円ずつ出し合って、かれこれ10年以上清水港(静岡県)にヨットを泊めています。

「風をよむ」という経済番組がありますが、ヨットはまさに風をよみ、それを動力として動く乗り物です。

大海に出ると、全てこの先に起こるであろうあらゆる事象を予測して、「今」の行動を決断、実行します。
現代はGPSや携帯電話等、船上にいながらも様々な情報を手に入れることができますが、昔は雲をよみ、潮をよみ、風をよみ...つまり自然条件に経験から予測をつけ、大海原を航海していました。






仕事も同じように思います。
現代は通信技術が大幅に進歩し、あらゆる情報を即座に入手することが可能です。
しかし、溢れる情報をどう収集するか、どう判断するかはその人の価値観や積み上げた経験によります。
また、情報だけがあっても、実際にその場で、どう行動できるのか...


通信技術が発達して、情報に恵まれていても、雲をよみ、潮をよみ、船の性能をよみ、今の一歩先の事態に備え、今の行動を決める。
そして、予測した事態となるかならぬか、予測した(悪い)状況下において的確な行動が取れるか取れぬか...
常にこの予測と対処が繰り返されます。

これは趣味も仕事も同じですね。
何事も真剣に楽しむには予測と判断、そしてそれに伴う行動が必要なのだということでしょう。

2008年10月15日水曜日

リスクとセルフディフェンス

沖縄や九州で仕事をよくいただくのですが、一方で、セルフディフェンスをしっかりと行わなければならない事態も発生しています。

これは2006年の記事ですが・・・

■長崎も「5年後破たん」 再建団体転落 知事が厳しい見通し
長崎県の金子原二郎知事は7日、佐賀県が2010年度にも、国の指揮下で財政再建を進める「財政再建団体」に 転落する可能性を示したことに関連し「長崎県も2012年度には佐賀県と同じになる。再度、財政の見直しが必要だ」 と語り、長崎県も財政が破たんしかねない厳しい状況にあることを明らかにした。
同県佐世保市であった県商工会議所連合会議員大会のあいさつの中で述べた。
金子知事は「県はこれまで2回、財政を見直し、行財政改革もやってきたが、今後は(収支不足のために取り崩す)県の貯金(基金)がなくなってしまう」と述べ、このままでは財政再建団体になる恐れがあるとの見通しを示した。

サブプライムローン問題に端を発し、日本でも各地のマンションデベロッパーの倒産、民事再生が相次ぎ、遂にはJ-REIT(不動産投資信託)を手がけているニューシティレジデンス投資法人が負債総額1123億で民事再生手続申し立てをしました。

ここまでくると官民問わず、セルフディフェンスを強化していくしか手はありません。
しかし、私は問題の根本は「実経済と資本経済の乖離」ではないかと推測しています。
ここで敢えてセルフディフェンスと申し上げたのは、「リスクマネジメント=保険」的な考え方が一般化する中、保険自体が実経済と乖離した存在と考えているからです。

ではセルフディフェンスとは・・・
私は実務的にも経営的にも実利が大切だと常々考えています。
建設業で言えば五月雨的な商流(分業)、他人資本による会社支配等、個の意思が法人の傘を被ると目指すべき方向性と異なる方へ向かう事例が世にはたくさんあります。
それゆえ、上場をせず(他者の支配を排し)、信じる技術を売り物にする会社が台頭する時代が来ると考えています。
しかし、上場していなくとも企業ゆえ、会計制度は公平です。
ここでも時価会計等、資本主義を象徴する最たる制度が導入されています。
資産(株式、在庫、退職金積立金etc)が仕入れた額ではなく、決算時の時価で評価されます。
資産ゆえ、増えることもあれば目減りすることもあります。
これは通常の業務を積み重ねたいわゆる業績実績に大きな影響を与えます。
もちろん時価会計で+となれば御の字。
そうでない場合は積み上げた業績から-されます。
企業ゆえ、ある程度の資産を持たねば、健全な経営はできません。
このような現状を考えると、大きな企業、団体で設立時の意思を健全に継続していくことが如何に困難なことであるか推察されます。
そんな中でも、やると決めたからには他人任せにせず、自らの経営資源をつぎ込み、良い仕事をする、そして企業の都合ではなく、人間としてのきちんと約束を果たすこと。
セルフディフェンスとは、まずこんな小さなことからはじまることだと思います。

2008年10月9日木曜日

ご冥福をお祈りいたします

先日、弊社の開催した技術研修会に参加してくれた取引先の新入社員さんがお亡くなりになりました。
faxで訃報が届いたのですが、それを知ったスタッフは皆呆然としていました。

背が高く、笑顔が素敵な若者で、研修会終了後の懇親会では隣に座ってくれ、随分長い時間話し込みました。
大学では建築を専攻していたそうですが、外構施設の面白さに魅せられ、この業界に入ったそうです。
昨今、建設業は若者に敬遠されているますが、彼はモノづくりの楽しさ、これから始まる社会人としての生活を楽しそうに話していました。

出逢いと別れは同じ数だけあり、それは人にとって避けがたい現実ですが、あまりにも短い人生とお付き合いに呆然としてしまいます。

どうか笑顔のまま天に召されますように・・・


祈

2008年10月8日水曜日

合成木材の悪い例

最近、ブログを通じてあらゆる事象を調べています。
HPでは、カタログを眺めるのと同様に、「良いこと」しか掲載されていませんが、ブログではエンドユーザーの声をはじめとする「悪い例」を 発見することができます。
今回は、我々の業務に関連する面白い記事を発見したのでご紹介します。

日比野設計さんという幼稚園の園舎を多く手掛ける設計事務所のブログですが、合成木材の悪い例が紹介されています。

「幼児の城ブログ」2007.03.06 Tuesday「合成木材の悪い例」
これはE社の製品と思われます。
製品名のS(Strand)は綱や紐などを表す英語ですが、掲載されている写真を見るとまさにデッキ材が紐状に分解しています。


一方、合成木材をこういう視点で導入しているという記事もあります。
「幼児の城ブログ」2006.09.08 Friday「園舎とウッドデッキ」


我々のリバースウッドも材温の上昇に対する材長変化への対策は随分と行ってきました。
基準寸法や施工マニュアルを遵守すれば、この熱膨張への対応はほぼ完璧な状態までコントロールできるようになっています。
しかし、最近は、熱膨張よりも水分を吸収した際の膨張が大きいという実験結果が出ており、この対策もしっかりして行かなくてはなりません。

特に床下の湿気対策は重要な鍵になってくると思います。
基本設計時には水勾配や排水構造が正確に判断できない案件が多いと思いますが、デッキを仕上げれば良いという概念ではなく、施主へ下部構造も提案する(確認する)等、「ひと手間」を加えることにより、我々が提供する製品の本来の性能が発揮されます。

製品開発、提案営業、設計、施工、メンテナンスを一貫して行う我々のグループならではの「質の高い仕事」を提供していきましょう。

(社内イントラネット掲載記事より転載)

2008年10月3日金曜日

諫早市こどもの城現場レポート8(工事前半最終回)


現場を終え、19時長崎空港発の便で東京へ帰ってきました。
事務所へ帰り、一部設計変更が発生した箇所の構造計算を終え、ようやく今、一息つくことが出来ました。
公共事業の場合は、今回のように設計変更が発生した場合は、経験値ではなく、しっかりと書類を提出していかなくてはなりません。
明日、現場の協議会が開催される予定だそうで、そこに間に合わせる必要があったのです。

9/25から10/3まで、都合9日間現場にいたことになります。
私は技術指導という立場で出向いたので、リバースウッドの管理基準を現場に伝えることが業務です。
それにしては長かった・・・
と、疲労が蓄積しました・・・

方向性は決まったので、あとは現場の優秀な職人さんたちに全てを託しましょう。
賢ちゃん、あとは頼んだよ!

工事が後半戦に突入した頃にまた現場の様子をお伝えします。
その頃はツクツクボウシも鳴きやんでるんだろうな・・・

2008年10月1日水曜日

諫早市こどもの城現場レポート7

今日から10月に入りました。
昨日、おとといの台風による大雨が嘘のように晴れ渡り、絶好の現場日和です。
現場は、今日からデッキ材の貼り込みが始まりました。
鉄骨ベースなので、特段、シビアにレベルを取る必要もないため、単純にデッキをビスで固定するだけです。
しかし、ここで使用している根太はt3.2という根太には十分過ぎるほどの厚さです。
先日も、この根太にφ15mmの孔をあけるのに苦労をし、結局、アトラーという工具を導入した経緯があります。

ここでsai-BRANDの鋼製下地専用ビス、製品名「どりどり君」の登場です。
どりどり君の規格は 六角孔M6*45(SUS410:ディスゴ処理) となります。
再生木材の熱膨張による伸縮応力に余裕を持って対応するために、この規格になりました。


標準仕様の根太はZAMのt1.6ですが、これはものの3秒程度で固定されます。
さて、今回のt3.2はどうでしょうか?
下孔なしでチャレンジしましたが、ほんの5~6秒で固定が完了しました。



このどりどり君のせん断力は1本あたり約2tもあります。
デッキシステムの中では、デッキ材とこのビスだけが表面に出てくる部材です。
ほんの頭をのぞかせるだけですが、ビスラインもデッキのデザインの重要な要素です。
こだわって開発をしましたが、こんなところで報われました。


2008年9月30日火曜日

諫早市こどもの城現場レポート6

昨日、今日と、こちら長崎県諫早市現場は台風のため、大雨が降り、現場は中止になっています。
しかし現場は稼動していなくても打合せはあるのです。
今日は防護柵メーカーのナベシマさん、パーゴラ、東屋を製作した槌絵さんとの打合せ。
両社とも北九州市の企業で、エコウッド社が近いこともあり、再生木材の取り扱い経験も豊富です。
今回も非常に質の高いモノを製作してくれました。
予報によると明日は台風一過の晴れ!
ようやくデッキ工事に入ることができます。

2008年9月28日日曜日

諫早市こどもの城現場レポート5


今日は現場に入って5日目です。
日曜ですが、出かけられずホテルの部屋に閉じこもり、図面を描いています。
昨日の問題解決を「技術的にこうしましょう」と示すための図面です。
他社の描いた図面と自社の図面を合成する時、弊社のキャドソフトと互換がとれない場合があります。
そんな時、dxfというファイル形式に変換し、イラストレータというソフトで互換をさせるのです。
このイラストレータですが、元来は文字通り、イラストレータさんやデザイナーさんが使うソフトですが、こんな合成の作業や、図面のパーツに色を付け、分かり易くする等、結構使えるソフトです。

しかし、今回の現場で予定していた唯一の休日も、この作業のために返上です。
まさに休日を返上しての作業ですね。
来週末はゆっくりできますように・・・

2008年9月27日土曜日

諫早市こどもの城現場レポート4

今日は下地の仕上げです。
理由があり、階段の下地材の設計変更を申し入れ、世にも珍しいこんな形状になりました。


鋼材(ZAM□75*75t3.2)にマリンランバーを三角形に加工したものを専用ボンドとビスで固定しました。鋼材に付着している剥離材(オイル)を拭い、マリンランバーに接着剤を塗布し仮止めし、せん断が2tあるビスで2箇所を固定しました。
作業効率も良く作業も順調に進みました。しかし、少々問題が発生した箇所があり、その解決に昼一から20時までかかってしまいました。
しかしこんなトラブルも現地で関係者の意向、技術的な視野を含め解決してゆくのが現場です。

日本の建設業においては全てをトータルで自社の手で行うことは難しくなっています。あの時、ああいう風に言っておけばよかった等、後悔は尽きません。しかし、トラブルも誠意を持って自社だけではなく仕事の成り立ちを考え、結果を判断する。こんなことが大事なんですね。ちょっと自重気味の今日でした。

2008年9月26日金曜日

諫早市こどもの城現場レポート3

今日はこんな景色をご紹介します。
左に見えるのが有明海。
そこに一文字に走るのは・・・・
例の諫早の干拓事業の産物でしょうね・・・

何故今日はこんな高いところにいるのかというと。

建築物の外壁に再生木材を貼りこむのですが、そこで使用する部材を屋根に吊り上げているのです。
ここでの私の役目は、クレーンのオペレーターさんに、無線で指示を出すこと。

いつもこの役割で感心するのは、全く見えない箇所に荷を運ぶオペさんの腕です。
無線で指示をする人の指示に的確に対応するのが彼らの役目ですが、いつも組んでいる人とならまだしも、私のように出張先の現場で初対面にも係わらず、それをやってのける彼らの技量と集中力には毎度のことながら感心します。
もちろん、指示を出す方もクレーンの操作の基本を知っていなければならないのですが、言語の違いや建築、土木の違いもあります。

玉掛け(荷を固縛する人)、クレーンオペレータ、指示者、玉掛け(荷をほどく人)とそれぞれが連携して素早く安全に作業を行います。
今朝、長崎のとある病院改築工事の荷降ろし中に、作業員の方がトラックから荷崩れをおこした鋼材の下敷きになり亡くなったそうです。
昼前にそんなニュースを聞いてすぐの作業だったので、より緊張感が高まりました。
建設現場で働くと人命に係わる工種が多いことにあらためて気づきます。
亡くなられた作業員さんのご冥福をお祈りするとともに、全国の現場の皆さん、慣れた作業と過信せず、今一度初心にかえって仲間との連携、信頼を強くし、お互いいいモノづくりをしましょう。
そして建設業で働きたいと思う若者が増えるといいですね。

2008年9月25日木曜日

諫早市こどもの城現場レポート2

現場レポート2日目です。
昨日は防護柵(支柱)、シェルターという立面の施工を行いました。
今日はデッキの下地となる根太の施工を行いました。
といっても、広い工区の1施設の施工が始まったにすぎませんが・・・。
ここに納品した根太材はzam□75*75*6000 t3.2
このt3.2が曲者なのです・・・

材料が贅沢過ぎる。

構造計算をするとここで設定されている加重条件では、t2.3で十分すぎるほどの強度が出ます。
このtというのは鋼材の肉厚を示します。
厚くなれば強度が増しますが、同時に加工は困難です。
孔のひとつを空けるのも大苦労です。



この設計を、製品を採用いただく時に
構造計算を行い、t2.3へのダウンサイジングを提案したのですが、
鋼材高騰の折、承認をいただけず、現場での苦労を強いられました。


何が正論かという議論は、そこに関与する方々の立場により異なるので言及はできませんが、 この現場の場合、私の立場からすると過剰設計です。
あの時、もう少し強く提案をしていれば・・・・と現場で後悔することとなりました。
それでもそんなことには全く罪のない職人さんたちは、現場で創意工夫をしてくれます。
しかし、創意工夫の範囲であれば済めば良いのでしょうが、無理をさせては事故につながります。
適正なものをきっちり確実に施工する。

何が適正か・・・
それは立場により異なります・・・・

話は異なりますが、麻生さんが総理になり、閣僚を自らの声で発表しました。
時を同じくして原子力空母「ジョージワシントン」が、
私の故郷である横須賀へ入港しました。
その横須賀では、小泉さんが政界を引退し、次男に地盤を引き継ぐことを表明しました。

何が適正か・・・・

地球規模で考えると、私の現場で抱えている問題は小さな問題なのかもしれません。
しかし、小さなことが重なり大きな波となるのが世の中の定めです。
皆が抱える小さな城、問題を大きな視野で見て、世の中にとって適正な判断ができれば
もうすこし良い世の中ができるかもしれませんね。

小さなことから頑張ろう。

現場では小さなことですが、沢山のことを学ぶことができます。
そんな小さなことを設計に経営に反映し、少しでも良い世の中を創るお手伝いができればと思います。

2008年9月24日水曜日

諫早市こどもの城現場レポート1

本日より長崎県諫早市の「こどもの城」の現場に入りました。
これはかれこれ3年前に設計をした物件です。
当時は、植林された杉林の現場で、地盤の勾配も何も把握できずに図面を作成したので、プロの方が見ると「ゴツイ鋼材を使ってるな!」と思われることでしょう。

今月一杯、この工事の施工監理を行いますので、更新できる限り、現場の状況をご紹介しようと思います。

この工事の概要は、
建築工事・・・・壁面再生木材化粧工事、デッキ工事
外構工事・・・・デッキA,B,C、パーゴラ、東屋、他

上の写真は、本日スタートした外構工事のデッキAです。
鉄骨構造上にパーゴラ、ベンチ、防護柵を取り付けました。
下の写真は施工前の鉄骨構造です。




2008年9月22日月曜日

ジャグジーデッキ改修工事

横浜のとあるフィットネスクラブのジャグジーデッキを改修しました。
下の写真は改修前のもので、他社の再生木材が使用されていますが、
デッキ材が波を打って、さらに白華現象を起こしていました。

【再生木材も設計、施工を誤るとこんな症状が現れます】クリック:拡大表示


下部構造を見てみると、ジャグジーという「水場」にも係わらず、杉材が防腐処理を施していないまま使用されています。


【防腐処理を施していない構造部】


再生木材は、メーカーにより異なりますが、基本的に原料となる木材をパウダー状に粉砕していますので、いわゆる“繊維”がありません。
よって、ハードウッドのような強度は求められないものの、「棘(トゲ)が出ない」「ささくれを起こさない」等の安全上のメリットが享受できます。

このジャグジーデッキの場合も、室内プールに隣接しているため、利用者が素足でご利用になられます。
それゆえに現設計も、再生木材の「機能」を評価し、採用されたのでしょう。
しかし、現実としてはこのような状況となり、改修が必要となりました。
では、何故、再生木材がこのような症状になってしまったのでしょうか?


木材劣化診断士の見解から、想定されるのは次の2点です。
①下地構造
②デッキ材の材寸と目地のアンバランス

まず、①ですが、
本施設はジャグジーデッキです。
当然のごとく、水への対応を施さなくてはなりません。
ところが、現設計では前述の通り、柱、大引、根太という下地構造に「杉」が使用されています。
それでもせめて防腐処理がされていれば、もう少し寿命は延びたかもしれませんが、
根太材に、いわゆる「未処理」の角材が使用されていました。


【腐朽した根太材】


床板を留める根太材がこの状態では、当然のことながら、床材は固定されていないも同じ状態となり暴れてしまいます。

次に②ですが、
再生木材の多くは木粉とプラスチックの混成材です。
木粉をプラスチックで覆っているので、劣化しにくくなっているのですが、
他方、プラスチックが混成されているので、熱膨張を起こします。
熱膨張の係数は各社により異なりますが、
この熱膨張をどう制御するかが設計、施工の鍵となります。

この膨張、いわば伸縮ですが、
弊社では、夏(高温時)の伸びと冬(低温時)の縮みを勘案した設計、施工を行っています。
設計的な要素としては、基準材長を2mに設定しています。
これは、デッキ上をピンヒールでご利用される方を想定し、最大5mmの目地管理を基準としているためで、
夏冬の材の表面温度の度が約50℃となるため、この温度差で伸びが最大5mm以下となる材長設計を行っています。
施工的な要素としては、施工時の材温(材長)管理が挙げられます。
弊社の施工管理基準は日に4回の材長測定を行い、測定した材長により当該時間帯での目地幅を決定しています。
つまり、「材料が熱により伸びている状態であれば、目地を詰め、縮んだ状態であれば目地を広げる」具体的な指示を施工する時間帯ごとに定めているのです。

これを行わず、天然木と同じように目地を確保せず施工してしまうと、膨張した材料が互いに押し合い、冒頭の写真のような症状として現れるのです。


【今回の改修では根太にzam鋼板を使用】


また、最近、「デッキの目地から硬貨(コイン)が落ちるため、目地をなくしてくれないか」という相談を受けることがあります。
しかし、残念ながらコストアップなしに、この相談、リクエストに応えることはできません。
というのも、目地はデッキにとって大事な「機能」だからです。

この機能とは、
1.デッキ上に溜まった水分、ゴミを目地を通して下に落とす(水はけ/滑り止め)
2.デッキ下の蒸れた空気を蒸散する

等々が挙げられます。

もちろんコインの落下対策としては、デッキ下の根太間にネットを敷設する等の解決策はありますが、いざ、発注となるとそのコストに躊躇される方が多いのです。
一方で、このコイン落下に限らず、「できます。やります!」という業者の方もいらっしゃいますが、その結果、いたずらに製品寿命を 縮めることにも繋がり兼ねません。

適した材料を、適した手段で、適した箇所に配する。
「適材適所」  良い言葉です。

再生木材の持つ「安全性」「耐久性」を評価して下さるお客様が多い中、「適切な設計、施工があってこそ、この性能が担保される」ことを、sai-BRANDとしてはきちんと告知して行く義務があると改めて感じた現場でした。


【リバースウッドデッキシステム標準仕様 ビス仕上げ】

・デッキ材:138*20(中空材)

・ビス:どりどり君 M6*45(SUS410)

・根太材:70*40 t1.6/40*40t1.6 ハット型根太(ZAM)

支持脚:HOLLY HTZ-100BP(ZAM)