2010年10月7日木曜日

コストダウン=機能美


弊社は外構施設の設計、施工を手がけています。
設計を依頼され、一番最初に行うことは、計画地の立地環境の把握です。
縁があり、設計をさせていただくのですから、計画する環境下に、最も適した素材を吟味し、正しく使い、正しく施工することで、美しく、長く愛される施設を造りたいと考えています。
イニシャルコスト(初期投資)の低減はもちろん考慮しますが、最も大切なのはトータルコストの低減だと考えます。

ボードウォークやデッキを例に挙げると、「水平に板を並べるだけ」と簡単に考え、設計、施工されている物件が多すぎるように感じます。
表面にデッキ材が整然を並んでいれば良いと、コストを大幅に下げて、「臭いものには蓋をする」かのごとく設計や施工をされている現場を見て、がっかりする機会が増えています。
そのような現場は、竣工後10年も経たないうちに不具合が発生し、期待寿命を全うできず、結果、“危険な施設”と判断され、解体、撤去されてしまいます。
すなわち、地球に多大なゴミを残すに過ぎない仕事となってしまうのです。
永い永い地球の歴史から見れば、他社の3倍長持ちしようが、小さなことかもしれませんが、せめて、次の世代まで使い続けられ、そして、その施設が寿命を迎えた時には、資源として受け継がれるようなことを考え、当初から、設計、施工を行いたいと考えています。

一方、このような経済の下では、きれいごとばかりは言ってられません。
この時代に於いては、イニシャルコストの低減も不可欠です。
しからば、魅力があり、長持ちする施設を安く造るにはどうしたらいいのでしょう。

その答えとして弊社が出した結論は、「適材適所」という古来からの発想です。
例えば、ボードウォークで最も大切なのは、「下地」として構成される部位です。
構造物の劣化診断を行うと、根太や大引き、支持脚といった“隠れてしまう部材”の性能に対し、あまりにも関心が持たれず設計、施工されていることが解ります。
よくある事例ですが、痛んだデッキ材を剥いでみると、水や湿気が溜まり、“お風呂に蓋をしたような状態”となっているケースが多々見受けられます。
そのような環境下では、デッキ材を固定している根太が腐食するのは無理もありません。
これは部材選定以前の問題で、誤った知識や認識で計画されているとしか言いようがありません。
建設業も分業化され、トータルで物事を考える「質」が低レベル化しているように感じます。
「適材適所」と前述しましたが、施設を設計する上では、まず、設置環境を把握し、そこに「適材適所」な部材選定を行い設計することが、ライフサイクルコストを低く抑える技術だと考えます。
また、コストダウンには、製造時の部材長や、効率的な配列など、生産工場や職人の効率性をも踏まえた、無駄の極力少ないトータルマネジメントが不可欠です。
同時にボードウォークと取り合う防護柵やベンチも、設計時に、そのピッチを工夫するだけで、現場での加工の少ない、美しい仕上がりとなります。

コストダウンとは、安く買い叩けるメーカーを寄せ集め、場当たり的な工事をすることではなく、設計時から起こりうる、あらゆることを想定し、無駄を排除し、素材の性能を高め、効率を追及することではないでしょうか。
設計時からしっかり計画されている構造物は、仕上がりも美しく、あらゆることに配慮された機能美さえ感じることがあります。
淘汰が進む建設業界ですが、資本力や会社の看板ではなく、今だからこそ、将来の地球環境も視野に入れた設計、施工を行うことが、ここに立つものの使命だと感じています。

デザインとは、イニシャルコストや意匠だけでなく、トータルマネジメントされた美しい機能美(適材適所)であってほしいと願う次第です。





2010年9月30日木曜日

「フクイ建設技術フェア2010」

フクイ建設技術フェア2010が福井県産業会館(福井市)で開催されました。
販売代理店の不動テトラさんのブースに間借りをしての出展でしたが、たくさんの収穫を得ることができました。
展示会というのは、時間や雰囲気に追われず、お客様へ説明が十分にできるいい機会です。
また、他のブースを回ることにより、どのように時代が進んでいるのかが手に取るように判ります。
今回は私の古巣である不動テトラの大先輩のご紹介で、非常に可能性の高い素材を見つけることができました。
早速、来週の製品開発会議の議題のひとつに取り上げようと考えています。
建設業は冬の時代が続いていますが、決して不要な産業ではありません。
鋭意努力を重ね、世に役立つ新しい製品の開発に励みたいと思います。



2010年8月25日水曜日

「マリノア」ボードウォーク(福岡市)


1993年に開業したマリノア(西福岡マリーナ)。
このボードウォークは何とも思い入れが深い。
当時は、日本にボードウォークという施設があまりなく、どんな材料を使用したら良いのか、どう設計すれば良いのかから検討をしました。
そして選んだのが日本へ輸入実績のない「スポッテッドガム」というオーストラリアの材料でした。
初めての日本への輸出ということで、現地へ出張し、工場に無理を言い、非常に品質の高いものを選びました。
「丸のこから煙が出る」「釘が打てない」「鉄みたいな木だ」「重い」等など、現場からクレームが続出した覚えがあります。
当時は比重が1.0を超える「水に沈む木」という概念自体が薄かったのですが、今ではハードウッドも一般的になり、少々木に詳しい方ならイペ、ウリン、ジャラなどはご存知ではないでしょうか。


このボードウォークは、数年前に発生した福岡の震災で、基礎地盤が落ちたのですが、板厚のある良い材料だったため、基礎地盤を改修した後に、再度、既設材を敷きなおしたそうです。

今回は毎年東京で開催しているsai-BRAND製品・技術研修会を福岡市で開催したため、足を延ばし、久しぶりにこのボードウォークに逢いに行った次第です。
20年近く経っても、当時、手掛けたモノがそこにある。
そんな幸せ感に包まれ、ボードウォークを眺めて時間を過ごしました。


2010年8月23日月曜日

酸化チタン膜をクルージングボートに装着

TWMに係留されているSオーナー様のご依頼により、弊社のシェルターパーゴラに使用している酸化チタン膜テントを、クルージングボートのフライングブリッジに装着しました。

酸化チタン膜は①太陽と雨の力で自らの汚れを落とす②そのため、透光率が15%という明るい空間を創ります。
有機物を酸化分解するために、汚れが付きにくいというのが特徴。
クルージングボートは、海に出れば潮を、係留中は埃をたくさん被ります。
これらの汚れを太陽の光で酸化分解し、雨で流れ落とすため、メンテナンスがとても楽になることが想定されます。

弊社では、公共事業で良く使用するのですが、この分野での利用は初めてです。
しかし、前述のように「理にかなっている」ため、その効果を期待しています。

私自身もヨットに乗るため、非常に興味が湧く分野です。
Sオーナー様、初チャレンジにご協力をいただき、ありがとうございました。




了

2010年8月17日火曜日

わくわくの森保育園(横浜市)

横浜市の鶴見区にわくわくの森という保育園があります。
ご縁があって、数年前に園舎の2階のデッキを設計・施工させていただいたのですが、園長先生より、このデッキで過ごす子供たちの写真がメールで届きました。

この保育園の園児は基本的に「裸足」で過ごしています。
もちろん園庭でも。
子供たちの姿を見て、いつも裸足で遊んでいた自分の子供の頃を思い出しました。

現代では、紫外線が悪者のように言われていますが、私はいまだに風邪をひきかけたら太陽の下で昼寝をします。
発汗は身体にとって良いものと信じて疑いません。
これはお年寄りにとってもそうだと思います。
部屋でじっとしているより、外へ出て、日光を浴び、風を感じ、花や木を愛でている方が、精神的にずっと健康的だと信じています。

そんな大切なことを、都会に住むこどもは体験する機会が少なく感じます。
エアコンの効いた部屋でゲームをする。

親にとっては心配事が少なく、自分も楽に過ごせます。


しかし、それで良いのでしょうか?
子供は太陽の光をたくさん浴びて育つのが理想だと思います。
そんな話で園長の山本先生と意気投合し、今年は1階部分のデッキと緑化工事をさせていただきました。


1階のデッキは乳幼児室の前に位置します。
小さい小さい「赤ちゃん」が遊ぶスペースです。


「海際で人々が憩える施設をつくりたい」と考え、現在に至るのですが、こんな形で、仕事を評価いただけると、フィールドを限定する必要などないのだな・・・と痛感します。
事業や仕事は「縁」から生まれます。
「縁」を大切に、真剣に取り組んで行くと、新たなフィールドが広がるのでしょうね。

企業にとって、利益は言うまでもなく大切ですが、それ以上に社会といかに縁を持って関わっていくかを大切に、真剣に考えなければならないなと、ふっと考えさせられる出来事でした。


2010年8月9日月曜日

TWM様レストデッキ


マリーナはヨットやボートを船台に乗せ移動するため、どうしても路盤がコンクリートにせざるを得ないのですが、こんなに緑が密集した場所があり、ここを休憩スペースにしたいという施主様のご意向から、デッキ、シェルター、パーゴラの複合施設を設計・施工させていただきました。

その完成記念として、 先週の金曜日にバーベキューパーティーを開催させていただきました。
盛夏ゆえ、マリーナは繁忙期ですが、たくさんのスタッフさん達が参加して下さいました。
ありがとうございました。

自分たちの設計施工をした物件で、施主様との歓談の時間を取れる。
非常に有意義な時間とすることができました。


夕闇が訪れると、昨年納入させていただいたヒラソル(ソーラー照明灯)が点灯します。
都心からわずかな時間で、こんなにリラックスできる空間があります。
仕事を忘れ、とても寛いだ時間となりました。



境川遊水地公園(神奈川県)

最近、トラックの荷台プロジェクトに夢中となっていて、あまり最新情報の更新ができていませんでした。
この事例は神奈川県の境川遊水地公園のデッキです。
工事期間中から平日でもジョギングや愛犬の散歩を楽しむ方々がたくさん来られていました。

ジョギングの休憩場所にはもってこいの眺望です。

眼下では少年サッカーチームのハツラツとしたプレーを楽しむことができます。
昔は、この炎天下でも大声を出し、白い球をずっと追いかける体力もあったなぁ・・・などと回顧する年齢に近づきつつありますが、こういう風景を見ると、まだまだ現役!と身体にムチを打って頑張ろうという気にもなったりします。
夏の強い日差しが、濃い影をつくっている季節を感じるお気に入りの写真です。

2010年7月6日火曜日

新型フェンスシステムをリリースします

戸建や商業施設向けにフェンスシステムをリリースしました。
素材は鉄+溶融亜鉛メッキです。
フラットバー支柱でベースプレートを挟み込む設計なので、デザインは極めて“シンプル”です。
もちろん施工も容易。
sai-BRANDは、公共事業を中心に事業を展開していますが、昨今は設計施工した現場を見た方からのお問い合わせが増え、このようなきっちりとした仕様で自宅や民間の施設にも対応してほしいという需要がに対応するために、今回のフェンスシステムは誕生しました。


公共と民間とでは何が異なるかというと、それは設計条件です。
たとえばデッキの場合、歩道となるデッキの乗載荷重の基準は500kgf/㎡ですが、公園や建築外構の場合は350kgf/㎡。そして戸建は240kgf/㎡(弊社基準値)となります。

荷重条件は、その施設の利用者数に比例します。
もちろん、たくさんの人々が集まる場所の設計条件は厳しくなります。
従って、製品を構成する部材も大きな断面になり、無骨なデザインとなってしまいます。
逆に戸建等、利用者が少ない施設は、設計条件も軽減されるため、細い、シンプルな部材を使用することができます。
このように、製品を納入する箇所の設計条件を確認すれば「製品」に縛られることなく、そこに似合う、見合うモノをお届けすることができるのです。


近年、戸建用のフェンスの素材にはアルミが多様され、鉄を溶接した製品の姿をあまり見かけることが少なくなりました。
このフェンスは、素材を「鉄」にすることにより、“手づくり感”を強く出しデザインしました。
時とともに「ヤレる」美しさ、容易に塗装ができる「手軽さ」が鉄にはあります。
軽いイメージの製品が多い中、手づくり感を味わいたい方にご検討いただければと思います。


今回のフェンスシステムに続き、現在、戸建用のデッキシステムを開発しており、8月にはリリースできる予定です。
お楽しみに・・・



2010年5月11日火曜日

専用ビス:どりどり君(DR6-45)改良につきまして

リバースウッドデッキシステムは、今年7月にいくつかの仕様変更を行います。

本日は標準仕様ビス仕上に使用する専用ビス「どりどり君:DR6-45」の進捗状況をご紹介します。
写真の上:現行モデル 下:新型モデルとなります。

改良根拠は以下の通りです。

1.ねじ山ピッチの変更
・・・根太にt1.6mmの鋼板を使用しているため、引き抜き強度の向上を図るとともに、ネジ山や根太の切削面への負荷を低減する。

2.刃先の形状変更
・・・刃先の形状を鋭角にすることにより、切削初期のビスの安定度が高まり、施工スピードを大幅に向上させる。

3.防錆性能と塗装の相性
・・・SUS410はマルテンサイト系(磁性)のステンレスで、強度を上げるために焼き入れができるのが特徴ですが、それゆえに防錆を施す必要があります。

現行モデルはディスゴ処理(クロムフリー超薄膜型高耐食性表面処理)を施していますが、ビス頭への焼付塗装が剥げやすいというデメリットがあります。(塗装の乗りが悪い)
一方、新モデルはラフレ処理(超薄膜高耐食合金コーティング)を採用しました。
これにより、塗装の乗りが改善され、より環境にやさしく、品質の高い改良が可能となります。


早速、ZAM75*75 t2.3に下孔なしで、打ち込み試験を行いました。
現行品は、刃先が鈍角なため、回転をはじめても不安定なのに対し、新製品は刃が鋭角に立っているため、安定性が高く、インパクトドライバのトルクが「点」で伝わります。
その結果、ドリルスピードは1.5倍ほど向上したと実感しました。

これを証するのが次の写真です。
上が現行品による孔ですが、円周の外側が多少盛り上がっているのがわかります。

下の写真は新製品による孔です。
エッジが立ち、ネジ山がきっちり二山分トラックされているのが分かります。
根太にもビスにも無理なくトルクが伝わり、効率的に切削されている証拠です。

これらの結果から、この試作品をベースに、刃先寸法を多少変更したものを最終形にすることにしました。

この改良をサポートしてくれている株式会社ライテックの荒木氏(左)と菅原所長(右)です。
彼らの手によって、更なる良い製品として生まれ変わることでしょう。





2010年5月6日木曜日

敦賀港訪問

GWに3月に竣工した敦賀港ボードウォーク改修工事の現場を見学に行きました。
完成した姿を「夜」に見るのは初めてでしたが、海際に設置された小型ライトがボードウォークの全長を表し、そのスケール感に感激しました。
旧敦賀港駅舎、レンガ歩道、芝生広場、時計台などが港町の雰囲気を漂わせています。

敦賀港を訪問した夜、そのまま敦賀市内に宿泊したかったのですが、市内のホテルはどこも満員・・・。
後から気付いたのですが「もんじゅ」の本格始動があったのですね。

歴史ある港湾や最新の原子力発電所を弄する敦賀。
昔と変わらず北陸に、関西に、その要所となる敦賀の更なる発展を祈ります。

2010年4月26日月曜日

リバースデッキ工法PV【敦賀港ボードウォーク改修工事】



本年3月に完工した敦賀港金ケ崎緑地ボードウォーク改修工事のプロモーションビデオを元請業者である伊原建設株式会社様が製作してくれました。
本工事は日本で初めて木材をスクラップ控除し、再生木材の資源として使用したもので、エコロジーが叫ばれる今日、非常に意義の高い工事とすることができました。
伊原建設様は、発注者様である敦賀港湾事務所様との連携を非常によく取られており、工事をこのようなPVにまとめて下さり、工法を提案をさせていただいた我々にとっても非常に嬉しい産物をいただくことができました。
また、快く本ウェブサイトへの掲載の許可をいただきましたこと、誠にありがとうございました。
この施設が広く福井県民の方々に愛され続けることを祈っております。

2010年4月21日水曜日

新製品「マルチユースキャップ」発売開始します

先月お伝えした「マルチユースキャップ」を5月中旬より発売開始します。


これは地覆材(緑化桝)をボルト固定する際に空いた表面の孔をふさぐという用途です。
我々の業界では何かとM12ボルトを使用しますが、これを締め付けるソケットレンチが十分に入る径がφ30mmなのです。
本製品の内径はφ30mm、外径はφ40mmなので、余裕を持ってカバーできます。

そして、新たな利用方法として、下の写真のような根太の固定ボルト孔のカバーです。
根太の上には当然、デッキ材が設置されますので、キャップの凸部が浮陸として感じないように、フタの厚みを1mmに抑えています。
キャップをする際に、軽くシールをすると、ボルト固定孔を水密状態にすることができます。
これにより根太の腐食が大幅に低減されることになります。
施設の長寿命化が叫ばれる今、改修提案の武器にしたいと考えています。

この製品を開発しようと考えたのは3月に完工した福井県敦賀港の現場です。
この孔にきちんとコーキングが打ってあった根太は径年後もしっかりと健全な状態を保っていましたが、そうでない根太は、この孔から腐食が進行し、明らかな違いが認められました。

最も使用頻度が高いと予想されるのが、この手すりのエンドキャップです。
リバースウッドφ40mmにドンピシャとフィットします。

そしてあったら便利なのがこれ。
ベンチのレベル調整などに活用しようと考えています。
自動販売機の脚からヒントを得たのですが、ベンチやテーブルの脚にM12ボルトを固定することで簡単にレベル調整が可能になります。
固定型ベンチが多い土木業界では、あまりこの用途は期待できませんが、あったら便利だとお思いになりませんか?

このようにひとつの製品で多用途をこなすため、安易に「マルチユースキャップ」と命名しました。
皆様からのアイディアも是非お待ちしております。

2010年4月17日土曜日

【千住N様邸バルコニーデッキ】

前回の「神業」でレポートした現場が完成し、本日、施主検査がありました。
完成した姿がこれです。
河原泰建築研究室らしい外観デザインです。
弊社で設計施工したのは、2階の屋根の上に見えるフェンスと一体となったバルコニーデッキです。
デザインのアクセントになっていますか?


奥行き、7200mm、幅2400mm、4000mmRの形状で、鋼製の下地にフェンスを取りつけ、クリアー色のポリカーボネートを固定しています。
ポリカが透明なので、写真では分かりずらいかもしれません。


バルコニーへは、吐き出し口から3段でアプローチします。
この階段部の桁と、これと取り合うフェンスの支柱の設計には苦労しました。

何せ、デッキ部分のフェンスの高さがH1100mmで、高さ150mmの階段を2段降りたところですから、そこに設置する手すりの高さはH1400mmとなります。
この高さの手すりをRしている桁に固定し、安定させるのですから・・・。
ま、このsai-BRANDオリジナル手すりの応用力の高さが確認できたのでよしとしましょう。


ポリカーボネートを固定するため、どうしてもバルコニーの内側、外側で同時に作業をする必要があったので、弊社受発注担当者の竹内に同行してもらい、まさに猫の手も借りたい状態での作業でした。
いつも電話でしかお話させていただいていない全国のお客様の皆さま、これが受発注担当の竹内です。
宜しくお願いします。

この現場のすぐそばに、5年前に設計・施工させていただいた「Hair Salon NOHIRA」があります。
帰り道にご挨拶に立ち寄らせていただきましたが、とてもこのルーバーを気に入っていただいているご様子。
「何もしなくてもいいからすごく楽」とは奥様の弁。
今回のN様邸他、この北千住界隈で、4件ほど仕事をさせていただきましたが、すべて紹介は野平さんだそうです。(前述のヘアーサロン)

公共事業が多い弊社ですが、このような現場を終えると、生活の中の製品づくりも積極的にやっていきたいと思う今日この頃です。






2010年4月15日木曜日

神業・・・【千住N様邸バルコニーデッキ】

河原泰建築研究室さんの仕事をよくお手伝いさせていただいています。
土木の外構工事の仕事がほとんどなので、建築の需要は、普段と違った経験ができて楽しいものです。
しかし、今回ばかりは楽しいとは言えない現場です。
下の写真ですが、電線と躯体との隙間の1mほどの空間に、ユニック車のブームを差し込み、半円の架台を吊り上げるのです。
この写真は、準備中に撮影したのですが、吊り上げ作業中は、私も人工として労働していたため、写真を撮影する心境にもなれませんでした。


ブームを最大まで伸ばし、ようやく軒を交わしたところで、上階に移動し、人力で架台を水平にし、設置しました。
この間、建物や電線に架台やブームが触れないよう細心の注意を払いましたが、さすが、気心の知れた施工メンバーです。
準備段階での打ち合わせ通りにうまく事が運びました。
「さすが」の一言に尽きます・・・。
というか神業でした・・・。

架台を吊り上げてしまえば、あとは図面通り。
所定の箇所にコーチボルトを打ちこみ、架台を固定し、レベルを出し、手すりを組みつけます。
この手すりは、今春より発売開始予定の戸建用のシステム手すりです。
第1段がRのついた変形バージョンとは先が思いやられますが・・・。

地上から見上げるとこのような感じです。
この風変わりなデザインに良く馴染んでいませんか?
この建物を設計している河原泰建築研究室さんは、風や光を取り込むのが非常に上手で、いつも現場(その前に図面)に来ると驚かされます。

明日はデッキ材と手すりのポリカーボネート板の設置です。
施主様の笑顔が楽しみです。

2010年3月31日水曜日

【福井県敦賀港】8 ~竣工検査~

工事名:(県単)金ヶ崎緑地ボードウォーク改修工事
発注者:福井県土木部嶺南振興局敦賀港湾事務所様


昨年10月より、6回にわたり本工事の内容をお伝えさせていただいてきましたが、3月25日に無事に竣工検査を終えることができました。
国内では初めてとなる既設木材のスクラップ控除、それを原料とした再生木材の製造等、発注者のご意向により、環境の世紀に相応しい取り組みをすることができ、サポートさせていただいたメーカーとして、非常に有意義な成果を残すことができました。

検査の際に、発注者様より「いいモノができた」と、ご満足をいただいたお言葉をいただきました。
思い返せば、まだ歴史の短い再生木材をご検討いただくにあたり、膨大な資料のやりとりをしました。
実際に製造工場の現場を視察いただいたり、過去の事例を見ていただいたり、細かい構造の検討・計算を行ったりを繰り返し、仮定が計画となり、そしてそれが具現化し、この現場に結実しました。


このボードウォークは、現場の曲率に対応するだけでなく、床面に陸から海へかけての勾配がついていますので、3次元での施工が必要となりました。
これに加え、冬季の施工のため、積雪により、思う通りの工程で作業が進まなかったと報告を受けています。
検査の当日は、生憎の小雨模様でしたが、発注者さん、元請さんによる検査はつつがなく終わり、無事に工期内に引き渡しをすることができ、ホッと胸を撫で下ろすことができました。

工事が完了し、再び地元の福井県民、敦賀市民の方々、それに観光客の方々に供用いただくことができます。
敦賀港の港の風景として、長く長く愛され続ける施設であってほしいと願うばかりです。

最後になりましたが、本工事に関わられた全ての方々にお礼を申し上げます。
ありがとうございました。


了

2010年3月20日土曜日

西新井駅西口再開発(円形デッキ) その3


西新井駅西口再開発ビルの円形デッキの工事が完了しました。
これを機に、もう少し地元東京を中心に、関東の仕事も増やしていくことにします。
sai-BRANDの柱となる業務は、劣化したボードウォークの診断と改修なので、 湿度の高い九州や沖縄の仕事が大半だったのですが、 「改修にノウハウがあるのであれば、新設時から頼もう」というお客様が増えてきていますので、 このような需要にも対応していく必要が出てきました。

さて、現場に戻ります。
樹木枠です。樹木を引き立たせるために、枠のほぼ中央に樹木が来るように、デッキ材の割付を計算し、同時にデッキを切り欠かず、ごく自然な見栄えとなるように工夫しています。
ここは、土壌が入るために、植栽ピットが設けられていることから、下地は大引+根太の仕様としています。

現場の終わりには、必ず何枚かの板を外し、デッキ下をきれいに清掃します。
どうしても、ビスを揉む時にデッキ材や根太材の切りかすが下に落ちてしまうので、これをブロアーで飛ばし、掃除機で吸い取る清掃を行う必要があるのです。
この業務を怠ると、排水ドレンに切りかすが詰まってしまい、適切な排水ができず、デッキ下が湿潤状態となり、その結果、デッキに不具合が発生してしまうのです。
昔から、「掃除がきちんとできない建設会社には現場を仕切る資格がない」と教わってきました。
自分たちで手掛けた現場は、最高の状態で引き渡したいと思うのは当然のことですよね。

最期になりましたが、元請の西松建設様、お世話になりました。
協力業者の方々、安全、正確な仕事をありがとうございました。

2010年3月17日水曜日

西新井駅西口再開発(円形デッキ) その2


商業施設のエントランスにある直径約9mのデッキを施工中です。
本日は、作業3日目となりますが、元請業者様より、「検査の関係で3日間で終わらせてほしい」との要望を受け、増員対応し、本日は6名で工事にあたっています。


本工事のポイントは、デッキ全体の割付の中で、植栽桝をいかに美しくレイアウトする。
デッキ材の幅加工をせず、桝を形成するためには、墨出を行う際から、きっちりと根太位置を決定する必要があります。
こうすることにより、材に変に加工を行う必要がなく、見た目も「自然に」「違和感がなく」仕上がります。
「現場合わせではなく、あらかじめ計算し、施工をする」。
当たり前のことですが、いくら良い設計をしても、実際に施工をする職人さんにきっちりと伝達されなければ何の意味もありません。


そこで大切な仕事をするのが「職長」です。
元請さんとの連絡や、設計の意図を“明確に””確実に”現場に伝え、正確な作業を行うのが職長の役割です。
この現場の職長は弊社の若いスタッフです。
年上の職人さんへ何をどう伝えるか。
その答えは、完成したした現場にあるのです。

大詰めのラストスパート。
安全に、正確に仕事を進めよう。

2010年3月16日火曜日

西新井駅西口再開発(円形デッキ)

気がつくと、これまで、あまり関東での施工事例を紹介していませんでした。
sai-BRANDは、エクステリアメーカーでもありますが、自社の製品を自社で施工をする工事会社でもあります。

今回は、現在施工中の東京都足立区で進んでいる「西新井駅前再開発」の現場を紹介します。
ここで、直径約9mの円形デッキを施工しています。
製品は、リバースウッドデッキシステム標準仕様。
一部、植栽ピットの上部にマリンランバーを使用する予定です。
下の写真は、墨出後に支持脚を設置している風景です。


深さ30~40mm程度で、基礎コンクリートに削孔を行い、二液性のエポキシ樹脂系接着材を充填し、支持脚(M12ボルト)を打ち込みます。

植栽ピットの開口は、デッキ材の割り付けに合わせ、1050mmとし、それを支えるための下部構造を設置しています。

円形の外周は、細かい合わせ部材が数多く発生するために、円周に合わせ、際根太もしっかり角度切断を行いました。

今回は普段、鉄骨を扱っているメンバーが揃ったので、下地組はあっという間に完了しました。
削孔し、設置した支持脚のエポキシボンドの硬化が間に合わないくらいのスピードです。
100㎡以下の施工を行う場合は、ボンドの硬化時間が手待ちとなるため、グリップアンカーやオールアンカー等のアンカー固定をお勧めします。


今日はすでにデッキの貼り込みに入っています。
明後日には、施設の検査があるそうなので、明日には完成させる予定です。





2010年3月10日水曜日

新製品開発中(マルチユースキャップ)

よくデッキの劣化診断を行いますが、過去に施工されたボードウォークの根太は、一般的に、天面を座堀りして、ボルトを挿入し、基礎と固定しています。
施工面では非常に効率が良いのですが、天面に空いた座堀穴に水やゴミが溜まり、そこから根太が給水し、腐食の原因となっているケースが多く見られます。

根太は、床板に隠れてしまう構造部材のため、材料選定の際に軽視されがちですが、根太こそ、きっちりとした材料を選定しなければ、構造物全体の改修が早まる(寿命が縮まる)という傾向があります。
昨年に劣化診断を行った福井県敦賀港の現場では、使用されているパイン材根太の座堀箇所に、すべてとコーキングがされていました。
天然木のボードウォークですが、メーカーさんの施工基準がきっちりとしていたお陰で、この根太は再利用できるという診断をすることができました。
一方、神奈川県の某ヵ所で診断した現場では、イペという日本国内でも最も実績のあるハードウッド材を使用しながらも、同じ原因で、このような状況となっています。

いかに根太が大事がお分かりになったのではないでしょうか?
そこで、saiBRANDでは、このような状況に対応するために、新製品の開発を進めています。
写真のような、ゴム製のキャップです。


φ30mm(外径φ40mm)、H15mmの大きさですが、蓋の厚みを1mmに抑えることにより、座堀の蓋に使用しても、根太上に貼ったデッキの浮陸を感じることはありません。
素材は、自動車の外装部材に使用される対候性の高いEPDMを選択しました。
また、内径φ30mmという大きさで開発したのは、別の用途も計画しているからです。

このように、φ40mmの手すり材のエンドキャップにも使用することができます。

このような、支柱加工部の蓋としても使用することができます。


そして、内側をこのようなM12ボルトの六角形状にすることにより、自動販売機の脚のような支持脚ボルトカバーとしても使用することができます。

ひとつ製品を開発するとしたら、マルチユースとして使用できるよう、多様な途用途を考えることにより、無駄なモノづくりをしなくていくのがsai-BRANDの製品開発方針です。

本製品は本日試作品が出来上がったきたので、これから最終形状を決定し、4月1日受注分から生産を開始する予定です。